明治安田J2リーグは一部のクラブを除き第19節までが終了。シーズン折り返しを迎え、いよいよ後半戦へと突入していく。


ここまでは、昨季の最終節とプレーオフ決勝でJ1昇格のチャンスを手にしながらも勝ちきれず今季もJ2で戦っている清水エスパルスが首位。次いで、リーグ戦では直近16戦負けなしと好調を維持するV・ファーレン長崎が2位でリーグを牽引している。また、昨年下位に沈んでいたベガルタ仙台(現4位)やレノファ山口(現5位)などが上位争いを繰り広げており、昨季とは違った展開でリーグ戦の盛り上がりに一役買っている。

そんなJ2リーグで輝きを放っているのがパリ五輪世代の選手たちだ。U-23日本代表は、先月までカタールで開催されていたAFC U23アジアカップで優勝。本大会への出場も手にし、海外組を含めた選手選考に注目が集まっている。


今回のアジアカップや現在行われているアメリカ遠征メンバーには、残念ながらJ2クラブの選手はいない。しかし、今季の活躍を見れば戦力として十分にカウントでき、今後の成長が楽しみな選手は複数いる。ここでは、今季J2で大いに存在感を放っているパリ五輪世代の選手を4名紹介していく。

J2で躍動する注目のパリ五輪世代4選【2024シーズン】

相良竜之介(ベガルタ仙台)

今季のJ2リーグで最も存在感を放っているパリ五輪世代と言えばMF相良竜之介ではないだろうか。ベガルタ仙台は昨季、夏場の11戦未勝利などの影響もあってまさかの16位と低迷。立て直しを図るべく世代別日本代表を率いてきた森山佳郎氏を新監督に迎えて新シーズンに臨み、ここまで4位と躍進を果たしている。

そんな好調のチームにおいて相良は、前線で果敢な仕掛けからの丁寧なクロスやラストパスでチャンスを生み出すほか、鋭いミドルシュートでゴールを奪うなど攻撃のキーマンとして躍動。
5ゴール3アシストと数字の上でも申し分ない働きを見せている。

昨季はサガン鳥栖からの期限付きで仙台に所属していた相良。完全移籍へと移行した今季、チームにとってJ1復帰のカギとなる選手の1人であることは間違いない。ここからの後半戦、さらにチームに勢いをつけるべく持ち前の突破力を発揮できるか注目だ。

J2で躍動する注目のパリ五輪世代4選【2024シーズン】

新保海鈴(レノファ山口)

いわてグルージャ盛岡での武者修行から今季レノファ山口へと帰還したDF新保海鈴。昨季はJ3リーグで8つのアシストをマークしたが、今季はカテゴリーを1つ上げながらすでに7アシストと早くも昨季の数字に迫っている。アシスト数が物語る通り、大きな魅力はその高いクロス精度。
相手守備陣が対応しにくい鋭く正確なクロスで数多くのチャンスを生み出している。

特に直近5試合では4アシストと圧巻の存在感を放ち、いわきFCとの上位対決(第15節2-1)や首位清水エスパルス戦(第18節2-0)での勝利にも大きく貢献した。昨年は最終20位と降格の危機に陥った山口。今季ここまで、台風の目とも呼べるような躍進ぶりは志垣良新監督の手腕によるところもあるが、チームに帰ってきた若きチャンスメーカー新保の働きも大きいと言えよう。

悲願のJ1昇格に向け、流れのなかだけでなくセットプレーの場面でも活きるそのキック精度でどれだけのゴールを演出できるかがカギとなるに違いない。

J2で躍動する注目のパリ五輪世代4選【2024シーズン】

西川潤(いわきFC)

昨季クラブにとって記念すべき初のJ2を戦ったいわきFC。順位こそ18位とJ2の難しさを味わうシーズンとなったが、選手個々の評価は高く、冬には多くの選手がJ1やJ2の他クラブへ移籍していった。
そんな戦力ダウンも懸念されたチームにあって、今季期限付きで加入のMF西川潤がもたらした攻撃にアクセントを加える働きは大きい。

自ら敵陣を持ち上がれる技術はもちろん、そこから供給されるクロスやラストパスも極めて質が高い。また、チャンスメイクだけでなく狙いすましたミドルシュートでゴールを挙げるなど、ここからの後半戦でも十分に得点を期待できる活躍を見せている。

パリ五輪世代の攻撃的なポジションには海外組も多くおり、西川の本大会メンバー入りは厳しいと言わざるを得ないだろう。しかし、今季J2へと活躍の場を移し、多くの出場機会を得てゴールにも絡めていることは、間違いなく自信につながっているはずだ。世代を代表するアタッカーが残りのシーズンでどこまで進化を遂げるのか楽しみだ。


J2で躍動する注目のパリ五輪世代4選【2024シーズン】

藤田和輝(ジェフユナイテッド千葉

昨年は栃木SCで経験を積み、U-22日本代表の守護神として第19回アジア競技大会での準優勝にも貢献したGK藤田和輝。今季は同じくJ2のジェフユナイテッド千葉へと期限付き移籍し活躍を続けている。高いセービング力もさることながら今季はPKストップも複数回あり、絶体絶命のピンチからチームを救う勝負強さも見せている。

千葉は昨年スタートダッシュにこそ失敗したものの、終盤怒涛の7連勝などで盛り返しプレーオフ進出を果たした。残念ながら準決勝で昇格した東京ヴェルディに敗れたが、J1昇格まであと一歩と迫ったことは事実。今季も現時点7位といまいち勢いに欠ける前半戦を過ごしているが、昨年終盤に見せた追い上げを考えれば自動昇格圏入りも十分に狙える位置だと言える。


ここから始まる後半戦で藤田が持ち前のセービング力と勝負強さを発揮し、昨季の千葉に足りなかった“あと一歩”を後押しできるのか注目したい。