かつて川崎フロンターレV・ファーレン長崎に在籍していたブラジル人MFカイオ・セザール(29)が、ベトナム1部テップサイン・ナムディンFCに移籍加入することが明らかとなった。入団についてはクラブ公式SNSで発表済み。


 カイオは先日、ブラジル2部クルーベ・ジ・レガタス・ブラジル(CRB)を退団したばかりで、ネット上ではJリーグ再挑戦を期待する声も挙がるなど、去就に注目が集まっていた。2018年8月にブラジルのトンベンセFCから川崎へ完全移籍。川崎では出場機会に恵まれなかったが、2019年6月に移籍した長崎では中心主力として活躍し、2022シーズンには主将の大役も任された。

 2023シーズン後に長崎を退団後はCRBに移籍。しかし、ここではレギュラー争いに敗れ、新天地を求めて8月上旬に退団が報じられていた。

 Jリーグ復帰が噂される中、カイオが新天地に選んだのはベトナム1部VリーグのナムディンFC。ナムディンは2023-2024シーズンのベトナム王者であり、GKダン・バン・ラム(元セレッソ大阪)などベトナム代表クラスを多数擁する強豪ビンディンFCや、岩政大樹監督率いるハノイFCを抑えて、39年ぶりのリーグ優勝を果たした。

 ナムディンは、2023年に地場系コングロマリットのスアンティエン・グループがスポンサーに就任して以降、大型補強を繰り返しベトナム代表の主力クラスを買い漁ったことで、今ではベトナムの「銀河系軍団」と化している。外国人助っ人には、既にVリーグで結果を残していたブラジル人のFWラファエルソン(元ベガルタ仙台)とバルセロナ下部組織出身のMFヘンドリオを他クラブから強奪してリーグ屈指の攻撃陣を形成。ラファエルソンは昨季期待通りの活躍で、得点王(31ゴール)と年間MVPに輝いた。

 ベトナム王者ナムディンは、AFCアジアチャンピオンズリーグ2(ACL2)2024-2025を控えており、アジアでの戦いに向けて戦力補強に余念がない。ブラジル人助っ人を含めて昨季の優勝メンバーのほとんどが残留。
新たに3人の助っ人も補強して、外国人選手は6人体制となった。カイオは6人目の助っ人となる。助っ人はFWとCBに集中しており、中盤を主戦場とするカイオには攻守を繋ぐ司令塔としての役割が期待される。
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