日本代表の一員としてFIFAワールドカップ3度出場の過去を持つ本田圭佑氏は、FIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選が開催されるなか、アジア各国に監督就任のオファーを打診したことで話題に。指導者ライセンスに関する指摘に「既得権益」という言葉を交えながら反論している。


 同氏は6日にXを更新。日本対中国以外の試合で波乱が続出したことをうけて、「なんという予選ラウンド…ワールドカップに出場したいなら、準備はできている」とした上で、「ヘッドコーチとしてね」と綴っていた。

 この投稿には、一部から「指導者ライセンスを取得しろ」「ライセンス取らないとね」といった声が。一部メディアも指導者ライセンス取得を求める声が挙がっていることを前面に押し出して、本田氏の投稿内容を報じていた。

 すると本田氏は8日午前に「『ライセンスを取れ』の声。取らねー。要らねー。興味ねー」と切り出すと、以下のように綴っている。

 「取りたい人だけ取ればいいし、任意にするべき。もうライセンス制度はほとんど機能してない。ただ長年変わってないルールなだけ。サッカー界から離れない世界のレジェンドたちがルールを変えるより、従って取るほうが合理的だから、結果いつまでもルールが変わらない。
ただ日本だけじゃなく、外でもこの話をしてると深く考えたことがある人がいなかっただけなんだなということが分かってきた」

 「既得権益の大きさもヨーロッパを中心に知れてる印象を受けた。要するに今は大して機能してないルールを変えることが考えたことがないので、「どうしていいかわからない」ってだけの現状。俺は正直、カンボジアのときのように実質監督としてやってくつもりなので、このルールが変わろうが変わるまいが、得も損もないが、サッカー界にとっては、皆んなが考えてる以上の機会損失は続くだろう」

 本田氏は過去にも複数回にわたり“ライセンス不要論”を提唱。2022年11月のカタールW杯・日本代表対ドイツ代表の試合後には「日本サッカー協会はプロの指導者ライセンスを残しつつ、ライセンスがなくても誰でも監督になれるようにするべき。どの指導者と契約するかは経営者の責任。逆にユース年代の指導者ライセンスは今よりも厳しくするべき」と指摘していた。

 一方、日本代表OBの槙野智章氏は当初、本田氏の意見に賛成していたが、2023年5月に日本サッカー協会(JFA)のA級ライセンス合宿へ参加した際、自身の心境に変化が。『ABEMAスポーツタイム』のインタビューで、以下のようなコメントを残している。

 「ライセンス取得は絶対必要。(ライセンス合宿は)必要な時間だったと思う。選手として見るサッカーと、指導者として見るサッカーは全く違う。選手時代にはあれだけ見えていた周りの景色が、監督になるとボールやプレーヤーを追ってしまい、視野が狭くなる。
そういう意味で、このライセンス合宿で見えてこなかった景色が見えるようになってきた」
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