2024明治安田J2リーグは第31節までが終了。1試合未消化のクラブもあるが、シーズンは終盤戦を迎えている。
ここまでは、昨年J1から唯一の降格クラブとなってしまった横浜FCが首位。そして昨年プレーオフ決勝で涙を飲んだ清水エスパルスが勝ち点差1の2位で追走する展開となっている。

今後さらに激しさを増していくだろう順位争いにおいてチームを支える活躍を期待されるのが、この夏新たに加入した新戦力たちだ。特に今夏は、長年J1で活躍してきた選手や将来性豊かな若手の移籍でJ2の選手動向も大いに盛り上がった。

ここでは、この夏チームに加わった新戦力のなかから、この後半戦でチームの好調要因として存在感を発揮している選手たちを4名紹介していく。

【J2リーグ2024】夏の加入後に存在感を発揮している選手4選

宇野禅斗(清水エスパルス)

現在2位と自動昇格圏につける清水エスパルス。昨2023シーズンの悪夢のような最終節とJ1昇格プレーオフ決勝の悔しさも原動力としながら、今季は開幕から好調を維持している。特にホームでは未だに負けなしと無類の強さを誇ってJ1復帰に向け走っている。昇格をさらに近づけるため、この夏も補強を行った清水。そんな新加入選手の中で、早速見せ場を多く作っているのが町田ゼルビアから期限付きで加入したMF宇野禅斗だ。

第25節のベガルタ仙台戦で移籍後初出場を果たすといきなりゴールをマーク。続くザスパ群馬戦でもゴールを挙げ、ここまで6試合で2ゴールと活躍を見せている。もともとボール奪取能力の高さに定評があった宇野だが、清水加入後は守備だけでなくゴールや鋭い縦パスでのチャンスメイクでも存在感を発揮。
途中加入とは思えないほど、周囲との連携面でも能力の高さを見せつけている。

昨年は高校時代の恩師でもある黒田剛監督のもと、町田のJ2優勝とJ1初昇格に貢献した宇野。今季も所属するクラブをJ2優勝、J1昇格へと導く存在となれるか。終盤戦のキーマンの1人として、その活躍から目が離せない。

【J2リーグ2024】夏の加入後に存在感を発揮している選手4選

土居聖真(モンテディオ山形

今夏の移籍でJ2クラブへ加入した選手の中で、もっとも話題を呼んだ選手の1人であるMF土居聖真。ジュニアユース時代から鹿島アントラーズひと筋で、2011年から長きにわたってJリーグ屈指の名門クラブを支えてきたが、この夏、生まれ故郷のクラブであるモンテディオ山形への移籍を選んだ。

山形でのデビュー戦となったファジアーノ岡山戦でいきなりのゴールを挙げると、ここまで7試合で4ゴール1アシストをマーク。早くもチームにとってなくてはならない存在となっている。山形は冬にも多くの選手の獲得に成功しており、今季は優勝争いに加わるような躍進を期待されたが、シーズン序盤の3連敗などで勝ち点の取りこぼしも多く上位争いからは遠ざかった。しかし、終盤へと向かうにつれ徐々に調子を上げつつある。3年連続のプレーオフ進出に向け、頼れるベテラン土居のさらなる活躍が期待される。

【J2リーグ2024】夏の加入後に存在感を発揮している選手4選

千葉寛太(藤枝MYFC

2022~2023の2シーズン、J3のFC今治で計19ゴールを挙げ今季は満を持して所属元の清水エスパルスで開幕を迎えていたFW千葉寛太。第8節徳島ヴォルティス戦でのスタメン出場など、5試合に出場し決定機に絡む場面もあったがリーグ戦でゴールを挙げることはできず、今夏同カテゴリーの同県クラブ藤枝MYFCへと武者修行へ出た。

加入後2試合は途中出場だったが、第25節の鹿児島ユナイテッド戦以降はスタメンに定着。
ここまで9試合で2ゴール1アシストと、清水では挙げられなかったゴールも含め攻撃面で大いにチームに貢献している。今季藤枝は、開幕直後こそ4戦未勝利と出遅れたが、その後は4連勝などで勝ち点を積み上げ現在はプレーオフ圏と勝ち点2差で10位につけている。

昨季は夏にFW渡邉りょう、MF久保藤次郎といった主力の流出で苦しんだ藤枝。今夏もMF西矢健人が個人昇格でチームを離れた。しかし、千葉をはじめ複数の選手を補強しそれぞれが出場機会を得て活躍している。J2が今季で2季目となる藤枝、早くもJ1昇格に向けてプレーオフ進出を掴み取れるか。ストライカー千葉に懸かる期待もさらに大きくなりそうだ。

【J2リーグ2024】夏の加入後に存在感を発揮している選手4選

中島大嘉(水戸ホーリーホック

直近5試合は4勝1敗と大きく勝ち点を積み上げた水戸ホーリーホック。シーズン序盤は4連敗の後5連続でドローゲームとなるなど勝ち点の積み上げに苦労したが、ここにきて降格圏との勝ち点差を12と広げ、ひとまず残留という点では安全圏に付けている。そんな水戸に好調をもたらす一因となっているのが、この夏の新戦力の1人FW中島大嘉だ。

188cmの長身とスピードを併せ持ち将来を嘱望されるストライカーだが、昨年は所属元である北海道コンサドーレ札幌、夏に期限付き移籍した名古屋グランパスのいずれでもリーグ戦ではゴールを奪えず、今季は心機一転J2の藤枝MYFCでシーズンをスタートさせていた。そんな藤枝でもリーグ戦のゴールは挙げられないままこの夏に水戸加入となったが、移籍後6試合で2ゴールと早速存在感を発揮。
途中出場が多いながらも決勝点を挙げる活躍で、チームに勝ち点3をもたらす原動力となっている。

残り7試合、上位勢との対戦も複数残している水戸。厳しい戦いが続くなかで、残留を確定させ1つでも上の順位を目指すためにも、中島のさらなる覚醒に期待が集まる。
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