2024明治安田J1リーグは一部試合を除き9月17日までに第30節を終え、終盤に突入している。優勝争いに目を向けると、今シーズンJ1初昇格の町田ゼルビアが勢いそのままに独走。
今節で広島から1試合ぶりに首位の座を奪回している。2位のサンフレッチェ広島は勝ち点2差で町田に迫り、前年覇者ヴィッセル神戸も勝ち点3差の3位につけ上位2クラブを追う構図だ。残留争いにも数多くのチームが絡んでおり、毎節熾烈な戦いが繰り広げられている。

そんなJ1リーグで最も市場価値があるのは一体どの選手なのか。今回は上位6選手をプレースタイルと共に紹介していく(データサイト『transfermarkt』より、日本円は9月16時点のレート換算)

※記事内成績は9月16日時点のデータに基づく(公式戦:リーグ戦、ルヴァン杯、天皇杯)

【2024】選手市場価値ランキングJ1上位6名を一挙紹介!1位は今夏復帰の…

同率4位:FWヴィトール・ブエノ(セレッソ大阪

  • 国籍:ブラジル
  • 市場価格:2.20m€(約3億4,000万円)
  • 今季成績:公式戦24試合4ゴール4アシスト
185cmの上背を生かしたエアバトルの強さに加え、足元の高い技術からパスやシュートの精度に優れているFWヴィトール・ブエノ。昨シーズンは、所属先のアトレチコ・パラナエンセ(ブラジル1部)で公式戦56試合中9得点7アシストと存在感を示し、本人も納得のシーズンを過ごしていたが、慣れ親しんだブラジルを離れ今シーズンよりJ1のセレッソ大阪へ完全移籍で加入した。

序盤は途中出場が多かったが、ここまで出場した23試合で4得点4アシストをマーク。更に直近3試合のリーグ戦ではスタメン出場を果たしており、小菊昭雄監督からの信頼を得つつある。ブエノの背番号「55」は、55歳で亡くなった日系の義父への敬意を込めて選んだというエピソードもあり、人柄の良さが伺える。

【2024】選手市場価値ランキングJ1上位6名を一挙紹介!1位は今夏復帰の…

同率4位:FW鈴木優磨(鹿島アントラーズ

  • 国籍:日本
  • 市場価格:2.20m€(約3億4,000万円)
  • 今季成績:公式戦32試合13ゴール6アシスト
シュートとパス精度の高さ、ポストプレーの強さ、打点の高いヘディング、前線からの積極的な守備など、どれをとってもハイレベルでこなせる“万能型FW”である鈴木優麿。なにより土壇場での勝負強さが光る選手だ。

小学生時代から鹿島アントラーズ一筋の鈴木は、中学・高校でも鹿島の下部組織でプレーしており、高校3年の10月にトップチームへの昇格が内定。プロへ進むと2年目には既に主力選手として活躍し、2018年にはアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の制覇に貢献した。2019年にはシント=トロイデンVV(ベルギー1部)へとステップアップでの移籍を実現させ、ベルギーでの3シーズンは出場した69試合で26ゴールをマーク。
その後、2022年に鹿島へ復帰すると、チームのレジェンドである小笠原満男氏が背負った背番号40を継承している。

現時点で鈴木はリーグ戦で12ゴールを挙げ、得点ランキング4位にランクイン。攻守にわたってチームを牽引していく鈴木から目が離せない。

【2024】選手市場価値ランキングJ1上位6名を一挙紹介!1位は今夏復帰の…

同率4位:FWウェルトン(ガンバ大阪

  • 国籍:ブラジル
  • 市場価格:2.20m€(約3億4,000万円)
  • 今季成績:公式戦26試合3ゴール5アシスト
両サイドからのドリブル突破を得意とする両利きのサイドアタッカーFWウェルトン。当たり負けしないフィジカルの強さも兼ね備えている。ブラジルの複数クラブを渡り歩き、2021/22シーズンからはブルガリア1部のレフスキ・ソフィアでプレー。欧州挑戦1年目から主力として活躍すると、翌シーズンにはほぼスタメン出場を果たし2ゴール3アシストを記録した。ほかにも、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(UECL)予選でもプレーしている。

2023/24シーズンは20試合出場で3ゴール4アシストをマーク。UECL予選では、昨シーズンに現役を引退した元日本代表の長谷部誠氏とも対戦している。2024年2月にガンバ大阪へ完全移籍で加入すると、ここまで公式戦26試合に出場し、3ゴール5アシストをマーク。チームの総得点の過程にウェルトンが多く関与していることもあり、G大阪の今季躍進の立役者となっている。更に得点力が備われば、Jリーグでは誰も手が付けられないほどのポテンシャルを秘めている。


【2024】選手市場価値ランキングJ1上位6名を一挙紹介!1位は今夏復帰の…

3位:FWエリソン(川崎フロンターレ

  • 国籍:ブラジル
  • 市場価格:2.50m€(約3億9,000万円)
  • 今季成績:公式戦20試合6ゴール0アシスト
FWエリソンは現在24歳のストライカー。これまでブラジルの複数クラブやポルトガル1部のエストリルなどを渡り歩く。2022/23シーズン、前半戦のみ在籍したエストリルでは、公式戦通算15試合の出場ながら4ゴールを挙げている。2023シーズン後半はブラジルの名門サンパウロへ期限付き移籍。負傷に悩まされるシーズンとなったが19試合出場で3ゴールをマークしている。

恵まれた体格を生かしたパワー型のフォワードであるエリソン。最終ラインの裏に抜け出す瞬発力やゴール前の絶妙なポジショニングも光り、左利きながら右足からも強烈なシュートを放つ。ペナルティエリア外からもゴールが狙えるプレイヤーだ。

今シーズンもここまで公式戦20試合に出場し、6ゴールをマーク。更に調子を上げJリーグに順応出来れば、間違いなくリーグの生態系を破壊することになるであろう。

【2024】選手市場価値ランキングJ1上位6名を一挙紹介!1位は今夏復帰の…

2位:MFサミュエル・グスタフソン(浦和レッズ

  • 国籍:スウェーデン
  • 市場価格:3.00m€(約4億6,800万円)
  • 今季成績:公式戦21試合2ゴール3アシスト
現在29歳でスウェーデン代表の現役MFでもあるサミュエル・グスタフソン。スウェーデンのBKヘッケンでキャリアをスタートさせ、その後はイタリアのクラブを転々とした後、再びヘッケンに復帰してプレーを続けていたが今シーズンより浦和レッズに完全移籍で加入している。

特徴は、ボール保持時の落ち着きや絶妙なポジショニング。パス技術の高さにも長けており、浦和の攻撃を指揮者のように司っている。
守備に関してはあまり目立たないが、パスコースを消す絶妙なポジショニングの良さが光っている。

Jリーグではここまで21試合出場で2ゴール3アシストとなっているが、数字以外での貢献度も非常に高く、レギュラーとして活躍している。

【2024】選手市場価値ランキングJ1上位6名を一挙紹介!1位は今夏復帰の…

1位:MF川辺駿(サンフレッチェ広島)

  • 国籍:日本
  • 市場価格:5.00m€(約7億8,000万円)
  • 今季成績:公式戦8試合0ゴール1アシスト
栄えある1位は、今年8月にサンフレッチェ広島に完全移籍で復帰したMF川辺駿。中学時代から広島の下部組織でプレーしていた川辺は高校1年時で既にスタメンに定着しており、高円宮杯プレミアリーグで2年連続の日本一にも貢献している。高校3年時にはトップチームに2種登録され、J1リーグで3試合の出場を果たした。

翌2014シーズンよりトップチームに昇格するも中々出場機会に恵まれず、ジュビロ磐田へとレンタル移籍。磐田での活躍が認められ、3年ぶりに広島に復帰を果たすと2年目の2019シーズンからは不動のレギュラーとして安定したパフォーマンスを見せていた。その後、2021年7月にスイス1部のグラスホッパー・クラブ・チューリッヒに移籍。半年後にはイングランド1部のウルバーハンプトン・ワンダラーズに完全移籍を果たす。しかし労働ビザ等の問題もあり、そのままグラスホッパーズにレンタルという形で残留し、2年間で出場した66試合で16ゴールをマークする好成績を収める。2023年からは、かつてGK川島永嗣(ジュビロ磐田)も所属したベルギーの強豪スタンダール・リエージュへと移籍。その年に6ゴールをマークしチーム内での得点王となっている。


今年8月、推定約5億円ともいわれる移籍金を投じた広島が完全移籍で川辺の復帰を発表。これにより日本への帰還を果たした川辺は、直近の第30節鹿島戦で結果を残した。

相手DFの股抜きからペナルティエリア内で待ち構えていたMF松本泰志へとラストパス。これを松本が冷静に決め、広島が一時勝ち越しとなる得点をアシスト。川辺が海外で得た経験や技術がチームにもたらす効果は絶大なものとなるであろう。優勝争いもいよいよ最終局面を迎える。川辺は広島の救世主となることが出来るのか。注目が集まる。
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