現在プレーオフ圏に入っているのは、勝ち点60でやや抜け出している印象のV・ファーレン長崎が3位。次いでそんな長崎を前節破ったファジアーノ岡山と昨シーズンの低迷から立て直しに成功したベガルタ仙台がともに勝ち点55で追う。そしてプレーオフ進出のボーダーラインである6位には、2年連続で昇格への挑戦権を得たいジェフユナイテッド千葉が入っている。
6位千葉との勝ち点差や直近の戦績などを考慮すると、勝ち点2差以内にいる7位モンテディオ山形と8位いわきFCまででプレーオフ圏を争う可能性が高いが、9位以下にもまだまだ逆転可能なクラブは複数ある。ここでは、そんなわずかな可能性に懸けて残り5試合を戦う3クラブについて展望する。
連敗で大ブレーキ:9位レノファ山口
残りの対戦カード
- 山形、熊本、甲府、愛媛、横浜FC
第28節で3位につける長崎に勝利したものの、以降は岡山、徳島ヴォルティス、清水、千葉、仙台とプレーオフ圏以上を狙うチームにことごとく敗戦。5試合で13失点と守備の立て直しが急務となっている。また、この先の対戦カードを見ても、勝ち点の積み上げは容易でない。次節はまたもプレーオフ圏争いのライバルである山形との対戦が組まれており、さらに最終節では現在2位につける横浜FCが控えている。
とはいえ、まずは連敗を止めなければいよいよプレーオフ進出は限りなく不可能になることから、山口にとっては次節の山形戦がターニングポイントとなるだろう。もちろん、最終節までの間にある中位、下位勢とのゲームは勝ち点3以外許されない。同じく昨季下位に低迷していた仙台、いわきもプレーオフ進出に向けて走っているだけに山口もここで諦めるわけにはいかない。
昨季の山形に倣え:10位ブラウブリッツ秋田、11位藤枝MYFC
残りの対戦カード
- ブラウブリッツ秋田:仙台、長崎、大分、甲府、藤枝
- 藤枝MYFC:いわき、徳島、千葉、岡山、秋田
現在10位の秋田は今季も堅守が大きな武器。ここまで失点数30はリーグで3番目に少ない数字となっている。しかし、得点数もリーグで4番目に少なく、思うように勝ち点を伸ばせない原因となっている。残りの5試合では、仙台や長崎といった上位勢との対戦があり、加えて同じく大逆転を狙う藤枝と最終節で対戦する。
一方で現在11位の藤枝は直近2連敗と失速。それまでは3連勝していただけに、プレーオフ進出に向けこのタイミングで2試合を落としたことは悔やまれる。また、ここからの5試合は上位勢がメインとなることから、このまま下降線をたどる可能性も十分にある。さらに、5つの対戦カードにおける今季の戦績は1勝4敗。うち2試合は3点差以上をつけられる大敗を喫しており、厳しいゲームが予想される。とはいえ、白星が必要なことに加えライバルを直接叩けるという状況は選手のモチベーションアップにもつながるはず。特に現時点で6位につける千葉に勝利することで、それまでに勝利を重ねていれば逆転の可能性が一気に高まる。そのためにも、まずは次節のいわき戦で前半戦大敗の雪辱を果たし連敗を止めることが最重要だ。
追いついても逆転困難な要素
3クラブとも、わずかに残るプレーオフ進出の可能性に懸けるため、残り5試合は全勝を求められることに変わりはない。しかし、仮に勝ち点で追いついたとしても、現時点で6位につける千葉と争う場合には得失点差という大きな壁が立ちふさがる。現在千葉の得失点差はプラス21と上位3チームに次ぐ数字。山口、秋田、藤枝ともに今から逆転することはほぼ不可能だろう。となれば勝ち点で上回るよりほかない。ここから5連勝を目指しつつ、ライバルたちの結果を見守り続けなければならないラスト5試合。選手たちはもちろん、ファンやサポーターにとっても緊張が続くシーズン最終盤となりそうだ。