クラブの象徴であり、今季ここまで11ゴール7アシストとチームトップの数字で攻撃を牽引するFW宇佐美貴史の頼もしさは健在。また、今季の新戦力であるMF鈴木徳真やDF中谷進之介も期待通りの活躍を見せている。さらに昨季チームに加わったDF半田陸や、ユース出身のFW坂本一彩といった若手の成長もあり極めてバランスの取れたチームになりつつある。
守備ではここまでリーグトップタイの失点の少なさを誇るチームに変貌を遂げたが、得点はリーグワースト3位と明確な課題が浮き彫りになっている。そんななか、来シーズン以降頼りになりそうなのが他クラブへ期限付き移籍中の選手たちだ。特に攻撃的な選手は、その多くが現所属チームの中核として活躍しており、来季以降大きな戦力になると期待されていることだろう。ここでは、今季期限付き移籍先で活躍する選手のうち、G大阪への帰還が待ち遠しい選手を3名紹介していく。
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山見大登(東京ヴェルディ)
今季期限付き移籍中の選手が数多く活躍する東京ヴェルディ。G大阪から移籍中のFW山見大登も例外でなく、チームの躍進に大きく貢献している。前半戦は同じく他クラブから期限付き移籍中のFW木村勇大やFW染野唯月ら攻撃陣の好調もあってか途中出場がメインだったが、第21節の横浜F・マリノス戦以降は定位置を確保。ここまで7ゴール4アシストと、プロ入り後最も多くゴールに絡むシーズンとなっている。持ち前の突破力に加え、正確なクロスでチャンスメイクにも一役買っており、シュートの場面では思い切りの良さと技術の高さも見せつけている。J1デビューを果たした2021シーズンの第24節清水エスパルス戦ではゲーム終盤に途中投入され、カットインから狙いすましたシュートで先制点をマークし鮮烈なデビューを飾った山見だが、そこから2022、2023シーズンと徐々に出場機会を減らしていたなかで今季は期限付き移籍となっていた。

唐山翔自(ロアッソ熊本)
昨年途中までJ2の水戸ホーリーホックでプレーし、今季はG大阪で開幕を迎えたFW唐山翔自。しかし、残念ながら9試合に出場するもゴールは奪えず、この夏再びJ2クラブへ期限付き移籍となった。加入したロアッソ熊本は今季も下位に低迷する厳しいシーズンとなっていた。しかし、第31節からの4連勝で勝ち点を伸ばし、前節レノファ山口と引き分けたことでJ2残留を決めている。熊本での唐山は、加入間もない第24節ジェフユナイテッド千葉戦で初出場を果たして以降スタメンに定着。もともと下位に沈んでいることが不思議なほど高い得点力を誇るチームで、ここまで3ゴール2アシストとさらなる火力アップに貢献している。第31節鹿児島ユナイテッドとの対戦から続いた3試合連続ゴールでは、ゴール前の冷静さやシュート技術の高さを披露。残留決定の立役者になったと言っても過言ではないだろう。今季G大阪では1つ年下のFW坂本が多くの出場機会を得て活躍するなかで期限付き移籍となった唐山。移籍先で出場機会を増やしたことにより輝きを取り戻しつつある。G大阪に戻れば厳しいポジション争いを余儀なくされることは間違いないが。

南野遥海(栃木SC)
2023シーズンはJ3のテゲバジャーロ宮崎で38試合10ゴールと気を吐いたFW南野遥海。今季はカテゴリーを上げてJ2の栃木SCで開幕を迎えた。残念ながらチームは現在残留争いに巻き込まれており、早ければ次節にも降格決定かという瀬戸際に立っている。そんなチームにあって南野はここまで7ゴールをマーク。J2へ活躍の場を移してなお、多くのゴールを挙げてチームの攻撃を支えている。一番の魅力は強烈な左足のキック。第16節のベガルタ仙台戦では、こぼれ球を鮮烈な左足の一振りでゴールネットに突き刺し決めている。もちろんパワーだけでなく質も高くクロスやパスでのチャンスメイクも可能だ。また、決して大柄ではないものの密集地帯を抜け出せるフィジカルも併せ持ち、アタッキングサードでは常に相手の脅威になり続けている。厳しい残留争いのなか、第29節V・ファーレン長崎戦や第32節鹿児島ユナイテッド戦ではいずれも試合終了間際にゴールを決めてチームに勝ち点をもたらすなど、勝負強い一面ものぞかせた。今季の後半戦、いまいち勝ちきれないゲームが続き優勝争いから遠ざかったG大阪にとって、必要な要素を持つ選手と言えよう。