直近2シーズンを連続1桁順位でフィニッシュしているセレッソ大阪は現在8位。序盤戦は3連勝を含む8戦負けなしと好スタートを切り首位にも立ったが、4月末から6戦未勝利と失速。以降も長い負けなし期間の後に4連敗となかなか安定して勝ち点を積み上げることができず、今季も1桁順位での着地が見える一方で、優勝争いからは脱落しシーズン終盤を迎えている。
これまで4シーズン指揮を執ってきた小菊昭雄監督が今季限りで退任し、次シーズンは新体制で戦うことが決定しているC大阪。来季こそリーグ優勝を狙うべく、この冬どんな補強があるのかも含めチーム作りに注目が集まる。そのなかで注視したいのが、現在他クラブへ期限付き移籍中の選手たちの動向だ。今季C大阪からは若手を中心に多くの選手がJ2やJ3の各クラブへ期限付きで移籍しており、出場機会を得て成長を見せている選手も多い。ここではそんな選手たちの中から、特に来季に向けてチームへの帰還が求められるであろう選手を3名紹介していく。
関連記事:G大阪への帰還が待ち遠しい!期限付き移籍先で活躍する選手3選【J1リーグ2024】
関連記事:FC東京への帰還が待ち遠しい!期限付き移籍先で活躍する選手3選【J1リーグ2024】
関連記事:京都への帰還が待ち遠しい!期限付き移籍先で活躍する選手3選【J1リーグ2024】
中島元彦(ベガルタ仙台)
昨季は夏の11戦未勝利などもあり下位に沈む苦しいシーズンを過ごしたJ2のベガルタ仙台。しかし、今季はここまで6位とプレーオフ圏内につけJ1の舞台が見えてきた。そんなチーム立て直しの一番の功労者と言えるのがFW中島元彦だ。仙台へ加入した2022シーズンは中盤での出場が多かったが、昨季途中からは最前線での起用も増え6ゴール5アシストと結果を残し残留に大きく貢献。さらに今季はここまで12ゴールをマークしており、得点力に一層磨きがかかった。171cmと決して大柄なタイプではないが強引なまでの突破力を持ち、また頭でゴールネットを揺らすシーンも多い。もちろん中盤での経験も豊富なことから出し手としても能力を発揮。前線で決定機演出にも一役買っている。J1で出場機会を得た2021シーズンは、途中出場が多いながらも12試合で2ゴールをマーク。国内最上位カテゴリーにおいて、限られた時間であっても結果を残せることはすでに証明している。今季のC大阪は、FWレオ・セアラが得点王争いを演じているもののチームとしての得点力は高いとは言い難く、リーグで4番目に少ない数字となっており来季に向けて改善点の1つと言えよう。中島の帰還は、そんな課題をクリアする要素にもなり得るのではないだろうか。
岡澤昂星(FC琉球)
J3のFC琉球で武者修行中のMF岡澤昂星。昨季は途中加入にも関わらず即スタメンに定着し18試合に出場した。今季もチームからの信頼は変わらず、ここまで33試合とほぼ全試合に出場。J2昇格プレーオフ圏から勝ち点3差の13位につけるチームで主力として存在感を放っている。豊富な運動量を攻守で発揮。常にポジションを取り直してビルドアップの出口を作り、少ないタッチ数でパスを前線に送っては自身もそのまま攻撃に出ていくなどゲームを通して質の高いプレーを披露している。
西川潤(いわきFC)
今季自身初となるJ2でプレーしているMF西川潤。2023シーズンまでは所属元のC大阪でも当時の期限付き移籍先サガン鳥栖でも出場機会は限定的だったが、今季はいわきFCで主力として34試合と多くの出場機会を得ている。いわきは昨年クラブ史上初のJ2挑戦となったが、結果は振るわず残留争いに巻き込まれるシーズンとなった。下位での着地にも関わらず選手たちの評価は高く、冬にはDF家泉怜依やMF宮本英治といった2022シーズンJ3優勝の立役者たちがチームを離れ、今季は苦戦も予想された。しかし、そんな中でも西川ら新戦力の働きは目覚しく、残念ながらプレーオフ進出の道は閉ざされたものの現時点で8位と大きく順位を上げた。なかなかゴールやアシストといった表立っての数字には出てこないものの、持ち上がりから質の高いラストパスやクロス、カットインからのシュートなど持ち味を発揮している場面は多い。C大阪への帰還が叶えば、チームの体制も変わることから新たな価値を生み出してくれる可能性も感じさせる。