かつては元日本代表エースのMF
香川真司(
セレッソ大阪)も所属した世界最高峰のクラブの1つ、プレミアリーグの
マンチェスター・ユナイテッド。近年不振にあえいでいるものの、その給与支出は一見の価値がある。
現在、レッドデビルズ(ユナイテッドの愛称)の年間給与総額は1億7,180万ポンド(約340億4,373万円)に達しており、選手の平均週給は約11万7,995ポンド(約2,337万円)。うちクラブの再建を託された3人の選手が週給30万ポンド(約5,940万円)以上、さらに2人が週給20万ポンド(約3,962万円)以上を受け取っている。
しかし、この額は2024年に引退したラファエル・ヴァラン氏やフリートランスファーで退団したFWアンソニー・マルシャル(AEKアテネ)の影響もあり、昨2023/24シーズンよりも減っている。今2024/25シーズンもエリック・テンハフ監督が指揮を執るユナイテッド・トップチームの選手の給与はどうなっているのか?早速紹介していきたい。
※データ:CAPOLOGYより(日本円換算2024年10月22日)
10位:DFノゼア・マズラウィ
7,020,000ポンド(約13億9,188万円)
DFノゼア・マズラウィは、2024年にオールド・トラッフォード(ユナイテッドの本拠地)へ移籍した1人であり、レッドデビルズがDFアーロン・ワン=ビサカをウェストハム・ユナイテッドに売却した後、バイエルン・ミュンヘンから加入した。モロッコ代表でも活躍するマズラウィは、ユナイテッドと4年契約を結んでおり、クラブは今後数年間で彼が中心選手として活躍することを期待している。
8位タイ:MFクリスティアン・エリクセン
7,800,000ポンド(約15億4,558万円)
デンマーク代表MFクリスティアン・エリクセンは、同国代表の歴代最多出場数記録保持者である。2021年6月12日のユーロ2020の試合で突如心停止で倒れたが、その後復活を遂げた。ユナイテッドは、2022年にフリーでエリクセンを獲得したため、彼に高額な給与を提示することができた。元トッテナム・ホットスパーのスターであるエリクセンは、テン・ハフ監督のメンバーに定期的に名を連ねているが、契約延長は進んでいないようで、2024/25シーズンがユナイテッドでの最後のシーズンと予想されている。
8位:DFルーク・ショー
7,800,000ポンド(約15億4,558万円)
イングランド代表で左サイドバックのDFルーク・ショーは、ユナイテッドでの在籍が10年となり、クラブでの出場数は300試合に近づいている。2017/18シーズンには当時の
ジョゼ・モウリーニョ監督(フェネルバフチェ)にプレーを批判されたことで確執が露わとなり、退団も噂されたが残留。また、キャリアの中でいくつかの怪我に苦しんできたが、2027年まで契約が残っている。
7位:DFハリー・マグワイア
9,880,000ポンド(約19億5,694万円)
元ユナイテッドのキャプテンDFハリー・マグワイアは、近年テン・ハフ監督の下で評価を落としており、常に移籍が噂されてきた選手の1人でもある。屈強な体格を活かしたフィジカル勝負のプレースタイルが特徴。オールド・トラッフォードでの大型契約は今2024/25シーズン終了時に満了予定であり、夏にも退団の噂があったことから、2025年がユナイテッドとの別れの年となることが予想されている。
6位:DFマタイス・デ・リフト
10,140,000ポンド(約20億円)
かねてからユナイテッドに移籍の噂が絶えなかったオランダ代表DFマタイス・デ・リフトは、満を持して2024年夏にクラブの一員となった。テン・ハフ監督は、以前アヤックス・アムステルダムでデ・リフト指導経験がある。中でもアヤックスが2018/19シーズンCLベスト4躍進時にはキャプテンを務めており、監督とはお互いを知り尽くした間柄といっても過言ではないだろう。アヤックス、ユベントス、バイエルン・ミュンヘンと名門クラブを渡り歩いてきたその経験が、低迷するチームの中心的な選手として活かされることが期待されている。
5位:FWアントニー
10,400,000ポンド(約20億6千万円)
テン・ハフ監督政権下で最も高額な移籍をしたFWアントニー。2022年にアヤックスから8,600万ポンド(約170億5,371万円)で加入したブラジル人だが、プレミアリーグの水に慣れるのに苦戦。50試合以上に出場しているものの、得点はわずか数ゴールにとどまっている。ブラジルのスラム街からアヤックス、そしてユナイテッドへと3年で上り詰めたが、2023年8月4日に元恋人に対する暴力行為、DVが告発され問題となった。契約は2027年まで残っているが、移籍の噂が絶えない選手の1人でもある。
4位:MFメイソン・マウント
13,000,000ポンド(約25億7,586万円)
ユナイテッドは、チェルシーとの契約が残り1年しかなかったにも関わらず、2023年に6,000万ポンド(約119億円)でMFメイソン・マウントを獲得した。しかし、加入直後の2023/24シーズンの大部分を怪我で欠場したため、多額の資金を投入せずにフリーになるのを待った方が賢明だっただろう。チェルシー在籍時の2020/21シーズンCLでは、ポルトや
レアル・マドリード相手にゴールを挙げて優勝に貢献しており、ユナイテッドの中心選手としての活躍が待たれている。
2位タイ:FWマーカス・ラッシュフォード
15,600,000ポンド(約30億8,809万円)
7歳の時にユナイテッド・アカデミーに加入したFWマーカス・ラッシュフォードは、2018/19シーズンから背番号10を背負っている。ここ数年パフォーマンスに波があり批判にさらされてきたが、2023年に最新の契約を結び、2028年までユナイテッドに留まることとなった。イングランド代表でもユーロ2020やFIFAワールドカップカタール大会にも出場。クラブでは400試合以上に出場し、その間に130ゴール以上を記録しており、ユナイテッド一筋の選手生活を送っている。
チーム不動のエースになるにはもう少し安定感を増す必要がありそうだ。
2位:MFブルーノ・フェルナンデス
15,600,000ポンド(約30億8,809万円)
ポルトガル代表の中心選手でもあり、ユナイテッドのキャプテンであるMFブルーノ・フェルナンデス。2023年、テン・ハフ監督がマグワイアからキャプテンマークを剥奪した後、キャプテンに任命された。ここ数年低迷するチームの中で期待通りの活躍を見せた唯一の選手と言っても過言ではないだろう。しかし、厳しいUKメディアやユナイテッドOBからは度々、キャプテンに相応しくないと批判をされている。チームの成績向上がキャプテンとしての彼の評価を高めるのは間違いないだろう。2024/25シーズン中にクラブでの出場数が250試合を超える見込みで、2027年まで契約が残っている。
1位:MFカゼミーロ
18,200,000ポンド(約36億円)
2022年にマドリードから鳴り物入りで加入した当時、ユナイテッドファンは誰もがMFカゼミーロの加入により、CLと国内タイトルを期待したに違いない。オールド・トラッフォードで最も高額な給与を受け取っているカゼミーロだが、ここ最近はその週給35万ポンド(約6,918万円)に見合った活躍はしていないと批判にさらされており、ガラタサライ(トルコ)への移籍が取り沙汰されるなど周辺は穏やかではない。マドリード時代に獲得したタイトル数は18にも及んでいるが、ユナイテッドでは2023/24シーズンのFAカップと2022/23シーズンのカラバオ・カップのみと寂しい結果に終わっている。32歳と選手としては難しい年齢に差し掛かっているかもしれないが、円熟味を増したプレーで、ユナイテッドに栄冠をもたらしてほしいものだ。