福岡は長谷部監督招へい1年目の2020シーズンにJ1昇格を果たすと、今季まで4シーズンつづけてJ1残留。エレベータークラブという印象を払しょくするとともに、2023シーズンにはYBCルヴァンカップで優勝し、クラブ史上初のタイトルを獲得している。
長谷部監督の去就を巡っては、9月に今季限りでの退任報道が飛び交ったほか、Jリーグ他クラブで指揮を執る可能性も取りざたされていた。そんななか、指揮官は10月31日にクラブ公式サイトを通じて「退任にあたっては決断に至るまで、多くの時間をかけて熟考しましたが、アビスパ福岡の未来を最優先に考え、ここで一つの区切りをつけることが最善だと判断いたしました」などと、退任に至るまでの過程を明かしている。
一方で金氏は、2020年まで鳥栖の下部組織やトップチームを率いていたが、監督退任後に鳥栖下部組織でのパワハラ行為が認定。日本サッカー協会(JFA)の定める規則に違反したとして、指導者ライセンスでS級からA級への降格処分、JFAの定める研修、社会奉仕活動を科されていた。
しばらくJリーグクラブの現場から遠ざかっていた金氏だが、2022年11月に町田のヘッドコーチに就任すると、2023シーズンに黒田監督とともにチームをJ1昇格・J2優勝へ導く。そして今季はクラブ史上初のJ1挑戦ながらも、第35節を終えて3位と、ヴィッセル神戸やサンフレッチェ広島と優勝争いを繰り広げている。
金氏の今後については、J1第35節・鳥栖対町田の試合後に福岡監督就任の可能性が再び報じられた。これを受けて、ネット上では町田での実績、黒田監督の参謀役としての仕事ぶりを高く評価する声が挙がる一方で、鳥栖時代のパワハラ行為を理由に、指導者としての資質を問う声も。金氏に対する批判も見受けられるが、福岡に対して次期監督選定で慎重さを求める意見も挙がっている。
長谷部監督のもと、J1定着を成し遂げた福岡。