アメリカのトップリーグとして世界から注目集めるメジャーリーグサッカー(MLS)は、アルゼンチン代表のFWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)やその他の元バルセロナの仲間たちだけに限らず、驚くほど才能あふれる選手たちの宝庫でもあるのをご存じだろうか。

昨2024シーズンは、元日本代表のキャプテンであるDF吉田麻也がキャプテンを務めるロサンゼルス・ギャラクシーが、MLSのプレーオフにおける決勝戦で同リーグ最大の大会であるMLSカップ優勝を遂げたことで日本でも認知度はさらに上がった。
  

近年大きな進化を遂げているMLSは、ベテランのビッグネームを惹きつけるだけでなく、あらゆる年齢層の選手が自身を証明する素晴らしいリーグへとなっている。

ここではメッシらの有名選手を除き、MLSでプレーするにはもったいないと思われる5人の隠れた名選手を挙げ、彼らがヨーロッパのメインステージで輝くべき理由を探ってみよう。

MLSでプレーするにはもったいない隠れた5人の名選手たち

リキ・プッチ(ロサンゼルス・ギャラクシー)

かつてはスペインの強豪バルセロナの次世代スターとして期待されていたスペイン出身のMFリキ・プッチは、カタルーニャの名門クラブではその期待に応えられず、2022年にクラブを去った。しかし、当時、まさか彼が欧州5大リーグを離れて、ロサンゼルス・ギャラクシーに加入するとは誰も予想していなかったはずだ。

移籍以来、まだ25歳の小柄なミッドフィールダー、プッチはロサンゼルスのヒーローとなり、2024シーズンにはロサンゼルスを牽引して輝いたが、その後に前十字靭帯の負傷に見舞われた。その卓越した才能を考えると、キャリアの全盛期をアメリカで過ごすのは惜しい選手といっても過言ではないかもしれない。負傷から回復したら、欧州に戻る姿を見たいファンは多いのではないだろうか。

MLSでプレーするにはもったいない隠れた5人の名選手たち

アレクセイ・ミランチュク(アトランタ・ユナイテッド)

ロシア出身のMFアレクセイ・ミランチュクは、2020年にロシアのロコモティフ・モスクワからセリエAのアタランタに移籍し、リーグや欧州大会で活躍した。アタランタ(2020-2022、2023-2024)では公式戦98試合に出場し、13ゴール19アシストを記録。2022/23シーズンはトリノにレンタル移籍し、公式戦31試合に出場、4ゴール6アシストをマークした。

イタリアでの活躍から、他のヨーロッパのリーグに新天地を求めるかと思いきや昨2024年7月30日、MLSのアトランタ・ユナイテッドに完全移籍。ロシア代表としても、2015年に19歳という若さでデビューを果たし、46試合に出場し8ゴールを挙げている。巧みなボールコントロールとパスセンスに優れる攻撃的ミッドフィールダーとして高く評価されている。

MLSでプレーするにはもったいない隠れた5人の名選手たち

フェデリコ・レドンド(インテル・マイアミ)

アルゼンチン出身のMFフェデリコ・レドンドは、スペインの強豪レアル・マドリード等に在籍した伝説的なフェルナンド・レドンド氏(2004年引退)の息子だ。インテル・マイアミが2024年初めにアルゼンチンのアルヘンティノス・ジュニアーズから獲得したのは見事と伝えられた。
MLSでの最初のシーズンは15試合のみの出場ながら、ボールキープ力やパスセンスの面で早くもその才能を発揮している。

アルゼンチンのユース年代の選手の中でも評価が高く、2020年にはプロデビュー前にも関わらず、UKメディア『ガーディアン』が選出した「期待される次世代の若手選手」60名に名を連ねたレドンド。将来的には、アルゼンチン出身の選手が多く活躍するラ・リーガへの移籍が理想的に思えるが、どのように羽ばたくのか、今後の動向に注目すべき選手の1人だ。

MLSでプレーするにはもったいない隠れた5人の名選手たち

ディエゴ・ルナ(レアル・ソルトレイク)

世界のサッカーファンにはあまり知られていないであろう。カリフォルニア生まれのMFディエゴ・ルナは、2022年にMLSのレアル・ソルトレイクのトップチームに昇格。2024年にはアメリカ代表の初キャップも獲得し、今後同国を背負う逸材として期待され着実に成長を続けている現在21歳の選手だ。

2024シーズンは公式戦36試合に出場し9ゴールと8アシストを記録し、MLSのヤングプレーヤー・オブ・ザ・シーズンに選出されたルナ。そのパフォーマンスを受けて、イングランド2部で日本代表MF田中碧も所属するリーズ・ユナイテッドが興味を示していると報道された。もしリーズが1月の移籍期間に契約を結びたいなら、迅速に動く必要があるかもしれない。

MLSでプレーするにはもったいない隠れた5人の名選手たち

ルチアーノ・アコスタ(シンシナティ)

アルゼンチン出身のMFルチアーノ・アコスタは、同国の名門ボカ・ジュニアーズでユースからトップチームに昇格し、2014年から2015年までプレーした。30歳となりベテラン選手の領域に入っているが、これまでその才能を正当に評価されてきたとは言い難い選手かもしれない。

2023シーズンのMLSのMVPであると同時に、4度のMLSベスト11(2018、2022、2023、2024)に選出されているアコスタ。同リーグのD.C.ユナイテッド在籍時(2016-2019)にはイングランドのレジェンドであるFWウェイン・ルーニー(2021年引退)と見事なコンビを組み、メキシコのアトラス(2020–2021)に移籍してさらに活躍の幅を広げ、経験を積んだ。
現在キャリアの全盛期といっても過言ではなく、欧州5大リーグでも輝かしい活躍を見せてくれると考えているサポーターは間違いなく多いはずだ。
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