
インターネットなど新しいテクノロジーのもと生まれたバーチャルな愛や個々人の新しい繋がりにも焦点をあてている。
展示は「愛ってなに?」「恋するふたり」「愛を失うとき」「家族と愛」「広がる愛」の5つのセクションで構成。ジョン・コンスタブル、ジョン・エヴァレット・ミレイ、ジョルジョ・デ・キリコ、ルネ・マグリットなどニューヨーク近代美術館(MoMA)やテート(TATE)所蔵の名画をはじめ、デミアン・ハースト、トレイシー・エミン、ソフィ・カルといった現代美術界のスターたち約70組の作品約200点が出品されている。
10周年記念となる本展について森美術館の南條史生館長は「この10年、紛争、経済的状況、自然災害など我々の世界を取り巻く環境は随分変化している。本展ではグローバル化、多様化、テクノロジーの進化で初めて手に入る愛を表現し、その愛によって生きる価値を見直そうという思いを込めてスタートした。新しい生き方のスタンダードが生まれる時代だからこそ、今、愛は非常に重要な鍵を握っている」と語る。
「2003年の開館記念ハピネス展ではヨーロッパの近代洋画、日本の古典、国際的な現代芸術といった3つの異なるジャンルの作品を一体化して展示。それを継承しながらも、LOVE展では現代のテクノロジーの進化も捉えた新たな形で披露したかった。本展は森美術館のキュレーター全員で臨んでいるが、愛の定義は非常に広く、それぞれが捉える愛の定義が違うので作品の選定にはかなり議論を重ねた」と開催の苦労について同氏は話す。