「ケンゾー(KENZO)」がメンズ&ウィメンズ2020年春夏コレクションをパリで発表した。先日退任が発表されたクリエイティブディレクターのウンベルト・レオン(Humberto Leon)とキャロル・リム(Carol Lim)による最後のコレクションとなる。

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 2人は2011年にLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン傘下のケンゾーに加入。約8年間に渡りブランドのクリエイションを手掛けてきた。2人による最後のシーズンとなるコレクションは「KENZOに捧げる究極のコレクション」とし、これまでも敬意を払ってきた創設者デザイナー高田賢三の故郷である日本に再度着目。特に日本を囲む広大な海で日々潜り続け、2000年以上もの間継承されてきた「海女(AMA)」にフィーチャーし、伝統的なマリンウェアと現代的でテクニカルなダイビング用品の要素を融合したコレクションを発表した。

 ウィメンズコレクションではネオプレンの素材にクラッシュ加工を施し、ウエットルックのジャージーのトップスやドレスに重ね合わせられたほか、スカートには真珠のボタンが取り付けられたり、エビ、マーメイド、ウミユリなど海の生き物のプリント柄が透ける透明のスーツなどが登場。メンズコレクションでは、ゴム引きのカラフルなアウターウェアやハワイアンシャツ、インディゴやダークグレーの日焼け加工が施されたコットンセーターはショールカラーのテーラードジャケットと組み合わせられた。

そのほか、同じく日焼け加工のデニム、かすり織プリントは、ウィメンズとメンズコレクション共に登場した。

 アクセサリーでは2019年秋冬コレクションから展開する新アイコンバッグ「タリ(Tali)」をコレクションテーマに合わせアップデートを加え、より小さいサイズの「The Mini Tali」を発表。ネットストラップとバムバッグは、海女が海底からの報酬を入れるベルトポーチのアイデアをデザインに反映しており、保護機能の高い偏光レンズのサングラス、スキューバの器具にインスピレーションを得たソックスサンダルやスニーカー、ウィメンズのOKOBO(ぽっくり)サンダル、シェルのネックレスなどがマリンのムードをさらに高めた。

 ショーの中盤ではビヨンセの妹でシンガーのソランジュ(Solange)がサプライズでランウェイに登場し、ブラスバンドの演奏を伴ってライブパフォーマンスを披露。フィナーレではデザイナーの家族や知人が駆け寄り、ケンゾーでのファイナルショーに華を添えた。