山形県で百貨店「大沼」を運営する大沼が、山形地裁に破産を申請したと東京商工リサーチなどが報じた。報道によると負債総額は約25億円にのぼるという。

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 大沼は1700年創業の荒物屋(雑貨店)にルーツを持ち、1950年に前身にあたる大沼百貨店社を設立。同年に山形本店の基になる大沼百貨店を、山形駅からほど近くに位置する山形市七日町の繁華街に開業した。1970年からは置賜地方唯一の百貨店として米沢店も営業。近年は2店舗ともに周辺地域の人口減少などで業績が悪化し、再建の為に2018年に事業再生ファンドのマイルストーンターンアラウンドマネジメント(以下、MTM)の子会社になったが、2019年に幹部社員9人が出資する大沼投資組合がMTMから全株式を取得した。米沢店は昨年8月末に閉店し、9月26日から1階フロアのみでサテライトショップとして営業している。

 一部報道では、大沼は1月26日の営業をもって山形本店を閉店し、破産にともない約200人の従業員を解雇する方針だという。

全国の県庁所在地で百貨店が無くなるのは初めて。今後、県内に残る百貨店は「マリーン5清水屋」(酒田市、日本百貨店協会未加盟)のみとなる。

 地方では百貨店の閉店が相次いでおり、そごう・西武は2020年8月末に「そごう徳島店」の営業を終了する予定。これにより徳島県が"百貨店ゼロ県"となることも注目を集めた。また三越伊勢丹ホールディングスは、今年3月に新潟三越を閉店する予定だ。

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