「オム プリッセ イッセイ ミヤケ(HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE)」が、通常のランウェイと異なるエンターテインメント性の高いショーで新作の2020-21年秋冬コレクションを発表した。今シーズンは「HP3 JAM」をテーマに音楽とダンスパフォーマンスを組み合わせ、ジャムセッションのように自由なステージとなった。

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 機能性と美しいフォルムを兼ね備えた男性の日常着を提案しているオム プリッセ イッセイ ミヤケは、ブランドのコンセプトを最大限に表現するため1年前の「PLAYGROUND」がテーマの2019-20年秋冬コレクションから2シーズンにわたり、躍動感のあるパフォーマンス形式で新作を発表してきた。これまでと同様に、ディレクションは今回もダニエル・エズラロウ(Daniel Ezralow)が務めている。

 会場はパリのポンピドゥ・センター内、観客が囲う広いフロアにフープ型の可動式照明を設置。そこに上下異なるカラフルなプリーツ仕立てのセットアップを着用したモデルたちが登場し、観客と挨拶をしたり握手を交わしてショーがスタートした。

 楽しそうに音を鳴らす演奏家たちや、リズムに合わせてダイナミックな動きを繰り広げるダンサー、フープを使ってアクロバティックな回転技を披露するパフォーマーなどが次々に現れて視線を集めた。自由で心踊るようなムードと共にウェアの軽さと動きやすさが見て取れたが、中でも新シリーズのタキシードプリーツは、オム プリッセならではのアクティブで遊び心のあるフォーマルの提案となっている。

 プリーツ素材をベースに、刷毛を使って描かれた線や図形、デザインユニット「グーチョキパー(GOO CHOKI PAR)」が手掛けた抽象的な楽器柄といった、アーティスティックな色柄がミックス。ゆったりとしたシルエットのステンカラーコート、袖にボリュームのあるトレンチコートなどのアウターも登場した。正多面体の展開図のように1枚のパターンから作られているコートとブルゾンは「イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)」の新作。足元を彩るシューズは「ワクワ(WAKOUWA)」との新プロジェクトで、日本伝統の植物や動物、四季を表す6色で展開する。

 ラストパートではオールキャストが登場し、フロア全体を使ってそれぞれのスタイルでパフォーマンス。約25分に及ぶショーのフィナーレを迎えたが、終了後も演奏は止まず、ステージで観客を巻き込みながらダンスするなど即興のセッションがしばらく続いた。