東京スカイツリーが、2012年5月の開業以来初めてスタッフユニフォームをリニューアルする。新ユニフォームは10月1日から導入。

7月22日の今日、メディア向けにデザインが公開された。

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 東京スカイツリーのユニフォームは、展望台やオフィシャルショップ、チケットカウンターなどで働くスタッフが着用。現在の制服は「ミナ・ ペルホネン(minä perhonen)」のデザイナー皆川明が手掛けた。新ユニフォームは今年開催予定だった東京オリンピックに向けて「スタッフが誇りとおもてなしの心を胸に国内外のお客様を迎えられるように」といった思いから準備を進めていたが、オリンピックの開催延期を受けて衣替えの季節に合わせてデザインを切り替えることになったという。新ユニフォームは「次世代のファッションの最先端を走り、日本の未来を考えた取り組み」をコンセプトに、昨年10月から文化服装学院の生徒を対象にデザインコンペを実施。12チーム18人の中から、当時文化服装学院の高度専門士科4年生で現在は繊維専門商社に勤める東山恵のデザインが選ばれた。

 ユニフォームは「スカイツリーらしさ、日本・東京のランドマークとしてふさわしいもの」「日本の伝統性と先進性を感じるもの」「スカイツリーのスタッフのモチベーションを調整するもの」「機能性を重視し、環境に配慮したもの」の4つの東武タワースカイツリー側からの要望に加えて、東山が掲げたテーマ「トラディショナルモダン」をデザインに落とし込んだ。スカイツリーの構造のように三角形を組み合わせて作られる日本古来の柄「麻の葉文様」を随所にあしらったという。「チケットカウンター・誘導案内スタッフ(男女)」「インフォメーションスタッフ」「外国人のお客さま対応カウンタースタッフ」「東京スカイツリーオフィシャルショップスタッフ」が着用する春夏と秋冬のユニフォームをそれぞれ用意したほか、東京スカイツリーの公式マスコットキャラクター「ソラカラちゃん」のユニフォームも刷新した。

 チケットカウンター・誘導案内スタッフ用の制服は、着物の襟元や帯のディテールを現代風にアレンジしたブラウスとジャケットを製作。空色をメインカラーに、アクセントに桜ピンクを使用するなど親しみやすさが感じられる色合いに仕上げた。インフォメーションスタッフのジャケットとスカートには、着物の襟元をイメージしたパイピングを取り入れ、着物の合わせのような右前のデザインを採用。

外国人のお客さま対応カウンタースタッフは、日本をイメージした赤のパイピングが特徴的なジャケットと、折り紙をイメージしたプリーツ入りのアシンメトリーなスカートでファッション性を高めたという。オフィシャルショップスタッフのユニフォームには、ショップの商品が引き立つように藍色を使用し、動きやすさを追求したシルエットを採用することでスタッフへ配慮した。メディア向け発表会に登壇した東山は「スカイツリーの先進的な構造とスカイツリー周辺の下町の様子のコントラストに美しさを感じました。着物のディテールを洋服に落とし込むことでそのコントラストを表現し、海外からの来場者にも視覚的にも楽しんでもらえるように意識しました」とユニフォームのデザインを説明した。

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