
アパレル・小売りなど大手企業が、著名デザイナーやブランドと協業するプロジェクトが相次いでいる。良品計画が「MUJI LABO(ムジ ラボ)」の監修として新たに「MARGARET HOWELL(マーガレットハウエル)」を運営するアングローバル社と提携するなど、一言に「コラボレーション」といってもその形態は様々だ。特にその動きが特徴的な「無印良品」、「UNIQLO(ユニクロ)」、「H&M(エイチ&エム)」を例にとり、外部デザイナーや協業企業との取り組みの違いを解説する。
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■分業型:知る人ぞ知る「無印良品」の裏方 「無印良品」を展開する良品計画が、新たにデザインコンサルティングに関して業務委託したのはアングローバル社。新しい服づくりに挑戦しているメンズ・ウィメンズの衣料ライン「MUJI LABO」の2012年コレクションより監修を手がけ、早くて年内には新デザインが店頭に並ぶ予定だ。しかし、あくまでも「無印」というコンセプトに基づき、ネームやタグに監修した企業やデザイナー名が記されることはない。過去にはデザイナー山本耀司氏(現在は代表を退任)が率いるヨウジヤマモト社と提携していた良品計画だが、それさえも"知る人ぞ知る"という取り組みだった。いずれも、特定の外部デザイナーを大々的に迎え入れるというよりも、"縁の下の力持ち"としてデザインチームが監修に関わるといった形態だ。 なお、良品計画は、深澤直人氏(プロダクトデザイナー)や小池一子氏(クリエイティブディレクター)、原研哉氏(グラフィックデザイナー)、杉本貴志氏(インテリアデザイナー)らとも関係が深い。 ■長期コレクション型:ユニクロ「+J」 トップデザイナーと長期的な提携を実現させたのがファーストリテイリング傘下の「UNIQLO」だ。2009年3月、Jil Sander(ジル・サンダー)及び同氏が率いるコンサルタント会社と契約し、協業ライン「+J」を発表。世界的なファッションデザイナーJil Sanderが自身のブランドから遠のいてから初めてデザインに関わり、しかも低価格という奇跡的なコレクションを実現させた。「+J」は国内外で人気を博し、5シーズン目の2011年秋冬コレクションをもって終了が決定。ユニクロは「新しい服づくりの可能性は追求し尽くした」という目的達成が契約終了の理由としており、今後の同社服作りに置いて「+J」で培ったノウハウがどう生かされるのかに注目が集まる。 長期的なデザイナーコラボレーションには、「adidas(アディダス)」とデザイナー山本耀司氏による「Y-3(ワイスリー)」や、「MONCLER(モンクレール)」がThom Browne(トム・ブラウン)や「