懐かしい名作に再会できるリバイバルブーム到来

懐かしい名作に再会できるリバイバルブーム到来
       

 おしゃれの新キーワード「ヘリテージ(遺産)」が大きなうねりを起こしている。「JIMMY CHOO(ジミー チュウ)」が過去のヒット商品をリバイバルさせるほか、「H&M(エイチ&エム)」と「Versace(ヴェルサーチ)」のコラボコレクションでも歴史的アーカイブが復刻される。「Hanes(ヘインズ)」の"赤パック"Tシャツや、「Reebok(リーボック)」の80年代スニーカー、「Ray-Ban(レイバン)」の歴代名作サングラスなども相次いでよみがえり、リバイバルブームを盛り上げている。


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 「JIMMY CHOO」は創立15周年を記念したカプセルコレクション「ICONS(アイコン)」で、過去のアイコニックなシューズの新解釈を試みる。全15型のうち10型で当時のデザインをインスパイアソースに選んだ。米国テレビドラマ『SEX AND THE CITY』で主人公のキャリーが履いたピーコックブルーのフェザーシューズも新アレンジで復活する。  「H&M」が2011年秋のデザイナーコラボで組むパートナーは「Versace」。グラマラスで煌びやかな同ブランドの華やかな歴史を振り返り、アイコニックなデザインにインスパイアされたデザインを用意するという。クリエイティブディレクターのドナテラ・ヴェルサーチ氏は「コレクションは、Versaceらしさが存分に活かされたものになる予定」と語っている。「Versace」は1978年にジャンニ・ヴェルサーチ氏が設立した。  リバイバルの動きは米国発ブランドで目立つ。ヘインズブランズジャパンは、復刻モデル「Hanes Vintage(ヘインズ ヴィンテージ)3P-Tシャツ」を発売した。米国発のカジュアル・アンダーウェアブランド「Hanes」は今年で創業110周年。1970年代にブームとなった"赤パック"Tシャツを再現し、素材の風合いはもちろん、パッケージ、衿ネームまで忠実によみがえらせている。  「Levi's501」の代表的モデルを再現した復刻ラインを集めたショップ「Levi's Vintage Clothing」は日本にも上陸。東京・青山のショップはヴィンテージモデルを、当時の織り機で忠実によみがえらせた復刻ラインをラインアップしている。年代表記を添えて並べられた「Levi's501」はブランドの歴史を伝える。  「CONVERSE(コンバース)」が発売する復刻モデル「MC HI」は、1988年発売の同ブランド初のアウトドア用シューズ「MOUNTAIN CLUB HI(マウンテンクラブ ハイ)」がベース。当時のデザインを生かしつつ、滑りにくい機能や足をガードする仕組みなどを加えた。「CONVERSE」らしいストリート感が受け継がれていて、リモデルの意義が感じられる。  リーボック・ジャパンは素材や製法も当時を再現した、同ブランド初の完全再現シューズ「Classic Vintage シリーズ」を発売する。ユニオンジャックのシューズボックスや、接着剤の黄変した風合いなど、細部に至るまで念入りに再現。商品の歴史を解説したカタログも添えて、ブランドの歴史を印象付ける。  サングラスの代名詞的ブランド「Ray-Ban」は復刻モデルでヒットを飛ばしている。1937年米空軍パイロット用に誕生した伝説的モデル「AVIATOR(アビエーター)」や、ミュージシャンが愛用してきた「WAYFARER(ウェイファーラー)」などを次々に復刻。9つの復刻マスターピースを集めた「THE ICONS(ジ・アイコンズ)」コレクションも人気を呼んだ。  日本でもヘリテージを重んじるブランドが現れ始めた。ブランドそのものに創業当時のムードが濃い、アシックスの「Onitsuka Tiger(オニツカタイガー)」。2011年春夏シーズンでは体操シューズをモチーフにしたスリッポン「TAIIKU(タイイク)」を提案している。子ども時代を思い出させるレトロでノスタルジックなデザインだ。同ブランドは1949年に創業した鬼塚喜八郎氏の名前に由来する。  歴史的遺産を重んじる動きは素材にも広がっている。スコットランド発のファブリック「Harris Tweed(ハリスツイード)」が100周年を迎えるのを機に、内外の様々なブランドが同素材を使った商品を企画しているのも、その表れと言える。品格を漂わせる「Harris Tweed」の生地は今の英国クラシック再評価の流れにもなじむ。  もともとは老舗のラグジュアリーブランドが新興ブランドやファストファッションとの違いを際立たせる狙いで用いた新コンセプトが「ヘリテージ」。しかし、数シーズンを経て、アーカイブ再評価の試みは老舗ブランド以外にも波及。「遺産、伝統、継承」という意味を持つその言葉の本来的な意味からは、数十年以上前のアーカイブというイメージが感じ取れるが、割と浅い歴史のブランドでも、復刻のモチベーションは高まっている。創業10年程度の若いブランドでも既に復刻モデルが登場していて、今後、同様の試みはさらに多くのブランドに広がりそうな気配だ。  オントレンドの新作ばかりをもてはやす風潮が薄れるのは、「デザインの使い捨て」を防ぐ観点から評価に値する。眠らせておくには惜しい名作を手に取るチャンスが増える意味でもリバイバルブームは有益と映る。時をまとうおしゃれは、ピカピカの新品にはない成熟したたたずまいや思い出の薫りまで寄り添わせてくれる。 (文:ファッションジャーナリスト 宮田理江)
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2011年7月10日のファッション記事

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