「未来の記憶」は、どんな「建築の未来」をつくるのだろう? 建築家・田根剛【連載】ビジョナリーズ(2)

「未来の記憶」は、どんな「建築の未来」をつくるのだろう? 建築家・田根剛【連載】ビジョナリーズ(2)

photo: Yoshiaki Tsutsui

田根剛は、この時代におけるマレビトではないか、と思うことがある。

マレビトとは古代において、集落の境界を超えて到来する、異種の価値をもらたす者のことだ。

彼は、建築界に彗星のように現れた。北海道からスウェーデンに建築修行に出た青年は、2006年26歳の時にエストニア国立博物館のコンペに勝ってしまう。そして勝ったがゆえに、仲間とパリで建築事務所DGT.をつくり、建築家として本格的な活動に入る。

しかし、この時点では、ほとんど日本ではまだ知られていない。なぜなら田根は日本のどの学閥にも属していないからだ。その彼が突如脚光を浴びたのは、2020年東京オリンピック招致への新国立競技場基本構想国際デザインコンペの11人のファイナリストとして選ばれた時であった。

2012年、まだ田根は33歳である。安藤忠雄を委員長とする審査会はザハ・ハディド氏の案を決定したが、これが大きな世論の逆風の中で破棄されるという前代未聞の「事件」となった。しかしコンぺに「Kofun Stadium」を提出していた田根は、加速する「東京」シーンの中に、にわかに巻き込まれることになる。シチズンのミラノサローネでのインスタレーションは大成功。パリの北斎展や六本木のフランク・ゲーリー展も話題となり、仕事が殺到。そんな最中、2016年に、コンペ勝利から10年を経たエストニア国立博物館がオープン。フランス国外建築賞や芸術選奨文部科学大臣新人賞などを受賞し、国内外から高い評価を得て、自らの事務所をパリに開設する。

...続きを読む

あわせて読みたい

FINDERSの記事をもっと見る 2019年3月14日のライフスタイル記事
この記事にコメントする

\ みんなに教えてあげよう! /

新着トピックス

ライフスタイルニュースアクセスランキング

ライフスタイルランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る

コラムの人気のキーワード一覧

新着キーワード一覧

このカテゴリーについて

生活雑貨、グルメ、DIY、生活に役立つ裏技術を紹介。