東京証券取引所が発表している投資部門別売買状況によると、外国人投資家は8月第1週から10月第4週までにTOPIX先物を7000億円あまり売り越したが、11月第1~2週にはおよそ6700億円買い越した。実需筋の買い戻しはある程度進んだとみていいだろう。また、日経平均先物は8月第1週から10月第4週までの売り越しが1500億円あまりにとどまる一方、11月第1~2週におよそ9200億円買い越した。短期筋はある程度買い持ち高を増やしていると考えられる。
前日述べたが、米国では例年、感謝祭を過ぎると休暇入りする市場関係者が多く、今年は大統領選などの重要イベントがあって持ち高をあまり傾けていなかったため、既に休暇ムードが強いという。先物の売買動向と重ねると、11月第2週までにおおよそ持ち高を整理・構築して休暇入りしたのかもしれない。
一方、個人投資家は11月第1~2週に現物株を1兆1000億円あまり売り越した。その後、株式相場が一段高となり、「株高に乗り遅れまい」という思惑から再び買いを入れているのだろう。足元、日経レバETFの純資産総額がじりじり増加しているところからもそうした思惑が透けて見える。11月第1~2週に個人投資家が得た1兆1000億円という資金の大きさを鑑みると、足元の相場の底堅さが理解できる。
とはいえ、年末にかけて海外投資家の取引参加が減るとなると、株式相場全体に大きなトレンドは出にくいかもしない。(小林大純)
《AK》
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