日経平均は反落。31.17円安の26756.37円(出来高概算5億8279万株)で前場の取引を終えている。
前日1日の米国株式相場は反発。ダウ平均は185.28ドル高の29823.92ドル、ナスダックは156.37ポイント高の12355.11ポイントで取引を終了した。ペンス副大統領が各州知事にワクチン配布を2週間内に開始する可能性を伝えたことや中国の良好な指標が好感され、また、追加経済対策への期待が高まり、終日堅調に推移した。ナスダック総合指数は史上最高値を更新した。米国株高を受けた今日の東京株式市場は買いが先行した。新型コロナワクチンに対する期待感に加え、パウエルFRB議長の議会証言を受けFRBの低金利政策が長期化するとの見方が広がり、東京市場の安心感となった。
個別では、ユーロ円建CB発行を発表し潜在株式数増加が嫌気されたリログループ、21年4月期業績予想を下方修正した伊藤園、21年2月期業績予想を上方修正したが材料出尽くし感が台頭した西松屋チェが下げた。
一方、21年4月期業績予想を上方修正したロック・フィールドが10%を超す大幅高となったほか、選択と集中を進める経営姿勢の変化を評価し米系証券が格上げしたフジクラ、11月の単体売上高が前年同月比11.1%と10月の同5.5%増から伸び率が拡大したアスクル、収益性向上などを評価し国内証券が格上げしたトヨタ紡織、フォトマスク製造用電子ビーム装置を強化すると報じられた日本電子、自社株買いを発表・実施したミライトHD、調剤薬局事業の譲受を発表したココカラファインが上げた。
セクターでは、サービス業、鉱業、情報・通信業、精密機器、その他製品などが値下がり率上位。一方、ゴム製品、非鉄金属、海運業、証券商品先物、保険業などが値上がり率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の39%、対して値上がり銘柄は55%となっている。
一昨日11月30日の当欄で、トヨタ自動車と米テスラを引き合いに、バリュー株とグロース株という分類はかなり曖昧なものではないかと書いた。さらに、この議論を分かりにくくするのは、企業の変身だ。
任天堂。ゲーム機メーカーであり、最近は「プラットフォーマー」としても評価されている。同社の歴史は、1889年(明治22年)、花札の製造に始まる。その後、100年近く花札やトランプを作り続けてきたが、世の中にコンピューターやパーソナルコンピューター(パソコン)が急速に普及するタイミングを捉え、1970年代に「テレビゲーム」事業を開始。
現下、コロナ禍で、非接触や遠隔、居所(いどころ)や移動、食事や働き方、余暇や興行など身近なものにとどまらず、企業経営や行政システムに至るまで、あらゆる分野で急速な変化が生じている。上述のように、任天堂変身の時代背景にはコンピューター、パソコンの普及があった。
さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。
《AK》