[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;32357.04;+413.11
TOPIX;2242.96;+21.48

[後場の投資戦略]

 前日に発表された米6月消費者物価指数(CPI)は総合および食品・エネルギーを除いたコア指数ともに、前年同月比と前月比で揃って予想以上に鈍化し、インフレ収束期待が高まった。7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ観測は引き続き高いが、年内2回の追加利上げ観測は大きく後退し、9月FOMCでは据え置きの予想がコンセンサスになってきている。


 米CPIの下振れを受けて米金利が幅広い年限で大きく低下した一方、日本銀行の政策修正観測の高まりが続いていることで、ドル円は138円台半ばまで一段と下落。急速な円高進行が重石となる形で、13日の夜間取引における日経225先物は一時32250円まで上昇しながら、終値では32030円まで大きく失速していた。

 本日の日経平均も高く寄り付いた直後に失速し、早々に回復したばかりの32000円を一時割り込む場面があったため、嫌な流れになっている印象を受けた。ただ、その後に切り返して大きく上げ幅を広げ、前日の下落分を帳消しにしてきたことは目先の安心感につながっている。

 一方、前日大きく下落した東エレク<8035>などのハイテク銘柄の一部には反発力の鈍さがやや感じられる。アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>など半導体株の一角はまだ25日移動平均線上を維持しているが、東エレクは25日線を依然として下回ったままである。
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の追加投資による宣伝効果で5月以降の上昇相場の象徴銘柄でもあった三井物産<8031>三菱商事<8058>、丸紅<8002>などの大手商社株も本日は上昇しているが、25日線割れの状態が続いており、トレンドの悪化は否めない。

 また、本日の上昇率上位のセクターは概ね前日の下落率上位のセクターと一致しており、対照的に前日に下落率上位だったセクターが本日は上昇率上位に並ぶなど、全体的に日替わり物色の域を出ていない印象もある。

 他方、米国ではナスダック総合指数とS&P500種株価指数が揃って年初来高値を更新した。米10年債利回りが再び大きく4%を割り込み、期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)を差し引いた米10年実質金利も、7日には1.79%と新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以降で最高水準まで上昇していたが、12日には1.6%まで低下した。金利の上昇一服とともにハイテク株買いが復活し、米主要株価指数が高値を更新してきている点は今の相場の基調の強さが続いていることを示唆している。

 日経平均も円高が重石とはいえ、ドル円は足元で75日移動平均線が位置する138円手前で下げ渋っており、テクニカル的には円高・ドル安にも一服感が出てきそうな頃合いだ。
米国株の堅調な地合いが続き、円高の一服感も加われば、日経平均も大きく崩れることなく、32000円水準での値固めが進んでいきそうだ。

 ただ、景気と為替の動向は依然として不透明感が強いため、これらの要素との連動性が強いセクターへの投資は妙味が薄いと考える。米金利の上昇一服がプラス効果として働き、かつ景気・為替との連動性の低い内需系グロース(成長)セクターへの投資が依然として望ましいと考える。
(仲村幸浩)