31日の日本株市場は、日銀の金融政策決定会合の結果判明後の荒い値動きに注意することになりそうだ。30日の米国市場は、NYダウが203ドル高、ナスダックは222ポイント安だった。
米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に積極的な売買は手控えられた。7月の米消費者信頼感指数や6月の米雇用動態調査(JOLTS)が予想を上回ったことから、ソフトランディングへの期待から景気敏感株の一角が買われた。一方で、大型テック株の決算を控えるなか、ハイテク株へは持ち高調整の売りが優勢となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比385円安の38105円。円相場は1ドル152円80銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。取引終了後の決算を発表したマイクロソフトは、アジュールの伸びが鈍化したことが嫌気され、時間外取引で一時5%を超える下落をみせていた。一方で、AMDは売上高見通しが予想を上回ったとして8%近く上昇して推移している。本格化する米ハイテク株の決算を見極めたいとする模様眺めムードが強まりそうである。

 また、日銀会合の結果を見極めたいとして、前場は様子見姿勢が強まるだろう。為替市場では追加利上げを検討するとの報道を受けて、1ドル=152円台と円高に振れて推移している。そのため、結果判明後の初動は大きく荒れる可能性がありそうだ。
また、エヌビディアは7%を超える下落により、支持線として意識されていた75日線を明確に割り込んできた。エヌビディアの調整局面が本格化してきたことから、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷になりそうだ。

 日経225先物はナイトセッションで一時37890円まで売られる場面もみられた。円高進行のほか、イスラエルがレバノンの首都を空爆したと伝わるなか、地政学リスクが警戒されている。リスク回避姿勢が強まるようだと、日銀会合の結果を前に持ち高調整の動きが強まる可能性もあるだろう。インデックスに絡んだ売買に振らされやすいなか、物色は決算を手掛かりとした個別対応に向かわせそうだ。昨夕発表したところでは、三住トラスト<8309>、カーメイト<7297>、マースGHD<6419>、理想科学<6413>、シマノ<7309>、ハイパー<3054>、キッセイ薬<4547>、コロナ<5909>NEC<6701>、TDK<6762>などが注目される。
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