*15:31JST 米国の政治不安は消え去っていない
 28日の米国債券市場で長期債利回りは上げ渋った。新型コロナウイルスの追加経済対策法案がトランプ大統領の署名を受けて成立し、米国株式は最高値を更新したものの、安全逃避的な債券買いは縮小しなかった。
市場関係者の間からは「長期債利回りは1%近辺まで上昇する可能性は残されている」との声が聞かれているものの、12月米雇用統計(来年1月8日発表予定)で非農業部門雇用者数の増加幅は10万人未満にとどまる可能性があることから、雇用拡大のぺースは当面鈍化するとの見方が増えている。また、米連邦議会が上下両院合同会議を開き、大統領選の結果を正式に認定する2021年1月6日には、トランプ大統領の支持者たちがワシントンで大規模な集会を開くことを計画している。米国の政治不安は消え去っていないことから、債券利回りは伸び悩む状態がしばらく続く可能性がある。
《MK》