米供給管理協会(ISM)が発表した6月ISM非製造業景況指数は57.1と、3カ月ぶりに50を上回り活動が拡大した。経済活動の再開が奏功し、パンデミックで経済封鎖が始まる前の2月来の高水準に回復した。1カ月の上昇幅は1997年の統計開始以来で最大を記録。4月にはパンデミックによる経済封鎖が影響し、同指数は122カ月連続で拡大したのち急激に低下。低下幅は過去最大と記録している。
6月の全米の製造業や非製造業の結果が出そろったが、いずれも4月に底入れ後、経済活動の再開を受けて反動を証明した。6月ISM製造業景況指数は52.6と、予想外に50を回復し、2019年4月来で最高となった。製造業PMIは49.8と、50の回復はならなかったが5月の39.8から過去最大となる10ポイント上昇。サービス業PMI改定値は47.9と、速報値46.7から予想以上に上方修正され5月37.5から10.4ポイント上昇とやはり過去最大の上昇を記録した。
ISMのニーブ会長は声明で、回答者は依然最近のウイルス感染の拡大や暴動の拡大を懸念している中、ビジネスの再開が始まっていることで経済やビジネス状況に注意深く楽観的になっていると指摘した。ただ、雇用は43.1と4カ月連続で50を割り込み依然、活動が縮小している。5月の31.8から改善したものの6カ月平均の43.4や前年同月の55.2を大幅に下回ったままで懸念材料となる。雇用の伸びが停滞した場合、消費を抑制し経済の回復も遅らせる。