日経平均は8日続伸。7日の米株式市場でのNYダウは269.09ドル安と続落。
景気減速懸念がくすぶるなか、新型コロナウイルスのデルタ株による経済への影響や財政支援の終了でエコノミストが成長予測を引き下げたこともあり、終日軟調に推移。一方、金融緩和の長期化期待からハイテク株買いは続き、ナスダック総合指数は連日で史上最高値を更新。本日の日経平均は96.59円安の29819.55円でスタートしたものの、米ハイテク株高や根強い次期政権の経済対策期待から引き続き買い優勢となり、即座に切り返してプラス圏に浮上。東京都の新型コロナ新規感染者数の前週比減少も投資家心理の向上に寄与し、前場後半には30241.87円まで上昇。後場は利益確定売りに押されたものの終始3万円を維持し、大引けにかけては再び騰勢を強める展開となった。

大引けの日経平均は前日比265.07円高の30181.21円となった。
東証1部の売買高は13億2022万株、売買代金は3兆6724億円だった。セクター別では情報・通信業、パルプ・紙、金属製品などが上昇率上位となった。一方、その他製品、空運業、水産・農林業などが下落率上位に並んだ。東証1部の値上がり銘柄は全体の73%、対して値下がり銘柄は全体の21%であった。

個別では、前日にドイツテレコムとの長期戦略的パートナーシップなどを発表したソフトバンクGが一時10%超と急伸。ただ、その後伸び悩んで4%高で終えている。
上半期業績が大幅な上振れ着地となったCasa、業績予想を上方修正した長大、自社株買いを発表したライドオンEなどもそれぞれ大幅に上昇。前日が公募の払込期日だったケイアイスターは需給悪化懸念の後退で大幅反発。次期首相候補を睨んだ物色が引き続き旺盛で、脱炭素関連のレノバやイーレックスなども急伸。投資判断や目標株価の引き上げを材料にコーエーテクモHD、岡本工機なども大幅高。政府が10月以降に段階的に行動制限を緩和する方針を固めたとの一部報道を受けてエアトリやオープンドアなどの旅行関連株も賑わった。

主力株では、レーザーテックが急伸し上場来高値を更新、東エレクやアドバンテスなども大幅高に。
米長期金利の上昇を背景に三菱UFJも買われた。そのほか、ベイカレント、塩野義、リクルートHD、資生堂、第一三共、HOYAなどが堅調。

一方、非公開化が正式発表されTOB(株式公開買い付け)価格にサヤ寄せする動きとなったNIPPOが大きく下落。エルサルバドルで世界で初めて法定通貨となったビットコインの価格が、同国でのシステムトラブルで急落したことを背景にマネックスGが大幅に下落。投資判断の格下げが観測されたJFEHDも売られた。そのほか、任天堂、トヨタ、村田製、ファーストリテ、ソニーG、ダイキン、JR西日本、中外薬などが軟調だった。