11日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:こう着感の強い相場展開のなか、安川電の決算を受けたセンチメント改善に期待
■イオン、23/2予想 営業利益2100億円
■前場の注目材料:ISSへ宇宙旅行本格化、民間主導の居住施設も打ち上げ予定

■こう着感の強い相場展開のなか、安川電の決算を受けたセンチメント改善に期待

11日の日本株市場は、やや売り先行で始まった後は、引き続きこう着の強い相場展開になりそうだ。
8日の米国市場はNYダウが137ドル高だった半面、ナスダックは186ポイント安だった。10年債利回りが3年ぶり高水準に達し、金利高を警戒した売りにより下落して始まった。その後、景気に不透明感が広がるなか、ディフェンシブ銘柄に投資資金が向かい、ダウは上昇に転じた一方で、ハイテク株は終日軟調に推移した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比50円安の26990円。円相場は1ドル124円30銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り先行で始まりそうだ。
8日の米国市場では金利上昇が嫌気され半導体株の弱さが目立っていたこともあり、指数インパクトの大きい値がさ株への重荷となる可能性はある。ただし、日経平均は27000円辺りでの底固めの動きが見込まれそうであるほか、先週末に決算を発表した安川電の今期見通しはコンセンサスを上回っていることもあり、同社が底堅い値動きを見せてくるようであれば、センチメント改善に繋がりそうだ。

また、日経平均は25日線が支持線として意識されており、同線での底堅さが見られるようであれば、次第に押し目狙いの動きが見込まれる。米半導体株の弱さから短期的には売り仕掛け的な動きも警戒されるものの、VIX指数は21.16に低下しているため、米国での金融引き締め加速に対する警戒はあるものの、市場は徐々に織り込んできていると見られる。VIX指数は直近のボトム圏で推移していることもあり、リスク回避ムードは高まらないと見ておきたい。

また、米国の流れからディフェンシブ株に向かいやすいものの、先週末にはTOPIXの浮動株比率の変更が発表されたことから、ウエート差を狙った動きなども見られていた。
ウエート上昇が見込まれるソニーG、東エレクが底堅い値動きを見せてくるようであれば、売り方も仕掛けづらくなりそうだ。

そのほか、日経平均が27000円水準でのこう着感の強い相場展開となるようだと、個人主体によるグロース市場への物色に向かいやすい。マザーズ指数は75日線水準での攻防を見せており、同線を再び上回って推移するようだと、グロース市場での商いが活発化しよう。そのほか、決算を手掛かりとした個別物色のほか、テーマ性のある銘柄などに短期資金がシフトしやすい。

■イオン、23/2予想 営業利益2100億円

イオンの2023年2月期予想は、営業収益が前期比3.3%増の9兆円、営業利益は20~26%増の2100億から2200億円の見通し。主力の総合スーパー(GMS)事業やサービス・専門店事業が黒字に転換するほか、全ての事業で回復を見込む。
利益予想は物流コストの上昇や為替の動向など不確実な状況を考慮し、幅を持たせた。予想の上限はコンセンサス水準となる。

■前場の注目材料

・日経平均は上昇(26985.80、+97.23)
・NYダウは上昇(34721.12、+137.55)
・1ドル=124.20-30円
・VIX指数は低下(21.16、-0.39)
・米原油先物は上昇(98.26、+2.23)
・米国景気の拡大
・コロナ流行下の経済活動正常化
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い

・ISSへ宇宙旅行本格化、民間主導の居住施設も打ち上げ予定
・日比、防衛協力を強化、中国念頭、初の2プラス2
・ワクチン県庁所在地調査、3回目接種「終了見通せず」4割
・駅攻撃「国際人道法違反」ウクライナ、英首相キーウ訪問
・露国債「一部デフォルト」S&P、格付け自体を撤回

☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・10:30 中・3月生産者物価指数(前年比予想:+8.1%、2月:+8.8%)
・10:30 中・3月消費者物価指数(前年比予想:+1.4%、2月:+0.9%)