11日の日経平均は7営業日続落。539.39円安の35619.77円(出来高概算19億3000万株)と8月9日以来約1カ月ぶりに35000円台で取引を終えた。
円相場が1ドル=141円台へと約8カ月ぶりの円高水準で推移するなか、輸出関連株を中心に幅広い銘柄に売りが先行した。さらに午後に入り、円相場が1ドル=140円台へ円高進むなか、業績懸念から売り直された。日経平均は後場終盤に向けて下げ幅を広げ、一時35253.43円まで水準を切り下げる場面もみられた。ただ、米国では8月の消費者物価指数(CPI)の発表を控えるなかで持ち高を一方向に傾ける向きもおらず、大引けにかけては下げ渋りを見せた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1500を超え、全体の9割超を占めた。セクター別では、33業種すべてが下落し、鉱業、石油石炭、不動産、輸送用機器の下落が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、エーザイ<4523>、トレンド<4704>、協和キリン<4151>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、TDK<6762>、テルモ<4543>、KDDI<9433>が軟調だった。

前日の米国市場では、米CPIの発表を控えるなか、持ち高調整の動きが優勢だった。この流れから売りが先行したほか、日銀の中川順子審議委員が講演で「日銀の経済・物価の見通しが実現していけば、緩和度合いを調整していく」と述べたことがタカ派的と受け止められ、円相場が1ドル=140円台後半へと円高が進行したことが重荷となった。

米大統領選候補者による討論会では、「民主党のハリス副大統領が勝利した」と海外メディアが報じた。減税などマーケットに友好的な政策を公約に掲げるトランプ氏劣勢と捉えられたようだ。なお、CPIについては、市場予想を上回る減速を示す結果となれば、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%の利下げを織り込む動きになる可能性が高い。
引き続き為替など米国市場の動きを確認する必要がありそうで、目先は不安定な動きを強いられるだろう。

編集部おすすめ