・日経平均は大幅反落、地政学リスク先行し38000円水準でのもみ合い
・ドル・円は小じっかり、円買い後退で
・値下り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東京エレクトロン<8035>
■日経平均は大幅反落、地政学リスク先行し38000円水準でのもみ合い
日経平均は大幅反落。
1日の米国株式市場は反落。ダウ平均は173.18ドル安(-0.41%)の42156.97ドル、ナスダックは278.81ポイント安(-1.53%)の17910.36、S&P500は53.73ポイント安(-0.93%)の5708.75で取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを急がない姿勢を受けた売りが続き、寄り付き後、下落。港湾労働者のスト突入で東海岸の港が閉鎖、9月ISM製造業景況指数が予想を下回り景気減速への懸念を受けた売りやハイテクが重しとなり相場をさらに押し下げた。その後、イランによるイスラエルへのミサイル攻撃が報じられると中東情勢悪化が警戒され、売りが一段と加速。攻撃終了とともに終盤にかけ下げ幅を縮小し、終了。
中東情勢悪化が嫌気されて、東京市場は売り優勢で取引を開始した。為替は1ドル143円台後半と前日比で、さほどリスク回避の円買いは入っていない様子だが、日経平均は前日の上昇分を吐き出す格好に。一部では石破政権が掲げる政策に独自色がないことから、買いが入りにくくなっているとの声も聞かれる。売り一巡後の日経平均は38000円水準でのもみ合いとなった。
日経平均採用銘柄では、アップル下落に伴いTDK<6762>、村田製作所<6981>、太陽誘電<6976>、日東電工<6988>、ミネベアミツミ<6479>など関連銘柄が総じて下落した。
一方、中東情勢の混迷化に伴い原油価格が上昇したことで、INPEX<1605>、出光興産<5019>、ENEOSホールディングス<5020>など資源関連が買われたほか、バークシャー円債発行が引き続き材料視されて丸紅<8002>、三井物産<8031>、三菱商事<8058>など商社株も上昇。このほか、三菱自動車<7211>、東京建物<8804>、大和ハウス<1925>なども買われた。
業種別では、電気機器、空運業、化学、情報・通信業、小売業などが下落した一方、鉱業、石油・石炭製品、海運業、鉄鋼、電気・ガス業などが上昇した。
1日に誕生した石破政権は「岸田政権で進めた成長戦略」の継承がメインで、独自色は「地方創生」「日米地位協定の改定」あたりに留まる印象だ。日米地位協定の改定は日米安保に関わるテーマで非常に重いため、市場は簡単に織り込めそうにないだろう。もっとも、9日には衆議院を解散し27日に投開票が実施されることから、第一次石破政権は実質何もしないことは明白である。衆議院選挙まで4週間ほど空白期間があることから、海外投資家を含め投資家は日本株にはその間、ニュートラルとなろう。
中国市場が国慶節で休場のため、後場の東京市場は積極的な売買手控えとなりそうだ。日経平均は38000円前後でのもみ合い相場を想定する。
■ドル・円は小じっかり、円買い後退で
2日午前の東京市場でドル・円は小じっかりとなり、143円42銭から144円02銭まで値を上げた。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は143円42銭から144円02銭、ユーロ・円は158円75銭から159円39銭、ユーロ・ドルは1.1063ドルから1.1073ドル。
■後場のチェック銘柄
・イタミアート<168A>、セーラー広告<2156>など、6銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東京エレクトロン<8035>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・9月マネタリーベース:前年比-0.1%(8月:+0.6%)
【要人発言】
・石破首相
「米大統領との電話会談、日米同盟のさらなる強化を図っていきたい」
「日米地位協定は話題になっていない」
・林官房長官
「デフレ脱却最優先の経済財政運営を行う」
「日銀と緊密に連携し軽罪財政運営に万全を期す」
・赤沢経済再生相
「金融正常化が必要との石破首相の発言、様々な条件付きと理解してほしい」
「金融政策、まだ正常とは言えない状況」
「金利の引き上げは慎重に判断してほしい」
<国内>
・特になし
<海外>
・特になし