*08:50JST 前場に注目すべき3つのポイント~来年以降の経済回復を想定した景気敏感株への物色
17日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:来年以降の経済回復を想定した景気敏感株への物色
リクルートHD、2Q営業利益47.6%減 747億円、コンセンサス下回る
■前場の注目材料:楽天、米KKRと楽天、西友に出資、小売りDXを主導


■来年以降の経済回復を想定した景気敏感株への物色

17日の日本株市場は堅調な展開が見込まれる。
16日の米国市場ではNYダウが470ドル高となり、節目の3万ドルに接近している。バイオ製薬のモデルナは開発中の新型コロナウイルスワクチンの大規模な第3治験で94.5%の有効性が確認されたとの暫定分析結果を発表。新型コロナウイルスの来年に向けたワクチン実用化が現実味を帯びてきたことが材料視されている。また、バイデン氏が議会は速やかにパンデミック経済救済策を成立させる必要があると主張したことも後押した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比185円高の26175円。円相場は1ドル104円60銭台で推移している。


シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行の展開になりそうだ。インデックスに絡んだ売買によって指数が押し上げられる格好になりやすいだろう。前日の強い上昇で週明けの米国市場の流れはある程度織り込まれているとみられるが、一段の上昇によって需給状況は良好であり、海外勢による日本株比率引き上げの動きをより強めさせることになりそうだ。日経平均の26000円回復で過熱感が警戒されそうであるが、ショートポジションを積極的に積み上げてくる流れは考えづらく、短期的なショートの流れに対しては押し目狙いのスタンスになろう。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大が不安視されるが、米国ではワクチン開発進展によって来年以降の経済回復を想定した景気敏感株への物色に向かわせている。日本株の相対的な強い値動きによって海外勢は日本株の比率を引き上げる対応に迫られていることもあり、米国同様、景気敏感株への物色が次第に強まってくる可能性がありそうだ。
JALANAなどには米系証券により格上げの動きも観測されており、出遅れている景気敏感株への見直しの動きが期待されよう。一方で資金シフトが明確に起こるというよりは、相対的にバリュー株志向になりやすいと考えられ、グロース株は利食いをこなしながらの上昇基調が続くことが期待される。

新興市場の中小型株については、アンジェスに短期的な資金流入が継続している。ワクチン期待というよりは売り込まれていた銘柄に対するリバウンド狙いといった流れであろう。反対にこれまでマザーズ指数を押し上げてきていた時価総額上位の銘柄については、利食いの流れが意識されやすいところ。マザーズ指数は25日線が上値抵抗として意識されており、この抵抗線を突破してくるようであれば再び時価総額上位の銘柄に関心が集まることになろう。



■リクルートHD、2Q営業利益47.6%減 747億円、コンセンサス下回る

リクルートHDが発表した第2四半期決算は売上高が前年同期比13.0%減の1兆446.21億円、営業利益は47.6%減の747.29億円だった。コンセンサス(770億円程度)を下回った。今期は45.8%減の1117.29億円を見込んでおり、コンセンサス(1670億円程度)に届かず。新型コロナウイルスの感染拡大が幅広い事業に響く。ただ20年7-9月期との比較では事業環境が悪化しないとの前提をもとに算定した。


■前場の注目材料
・日経平均は上昇(25906.93、+521.06)
・NYダウは上昇(29950.44、+470.63)
・ナスダック総合指数は上昇(11924.13、+94.84)
・シカゴ日経225先物は上昇(26175、大阪比+185)
・SOX指数は上昇(2570.98、+62.16)
・VIX指数は低下(22.45、-0.65)
・原油先物は上昇(41.34、+1.21)
日銀のETF購入
・米経済対策への期待
・コロナ向けワクチン開発の進展


・楽天米KKRと楽天、西友に出資、小売りDXを主導
・三菱ケミHD事業部門再編、5ドメインに
SUBARU米に変速機組み立ての新ライン、23年夏めど稼働
・大同工業独社と米合弁、来年1月、4輪チェーン生産
・日本信号鉄道駅用センサーを建機衝突防止に活用、サンプル出荷
・凸版印刷ヘルスケア成長へ布石、検査キットで新会社
・東レRO膜を中東で連続受注、海水淡水化プラント向け
・富士フイルム銀系抗菌技術商品が新型コロナ感染抑制、99%超不活性化
・住友化学合成生物学で新組織、新事業の創出加速


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・日豪首脳会談予定

<海外>
・09:30 豪準備銀行11月理事会議事要旨
《ST》