[注目トピックス 日本株]アジュバン Research Memo(11):中計では「新分野への進出」「基盤強化」「海外展開」を掲げる

*19:19JST アジュバン Research Memo(11):中計では「新分野への進出」「基盤強化」「海外展開」を掲げる

■中期3ヵ年経営計画

(1)中期3ヶ年経営計画の概要

アジュバンコスメジャパン<4929>は、2013年6月に中期3ヵ年経営計画を発表した。期間は2015年3月期から2017年3月期までである。なお、2014年3月期は中期経営計画の達成のための準備期間と位置付けられている。

中期経営計画の内容は、「新分野への進出」と「基盤強化」に要約できる。新分野への進出の柱は業務用といわれる分野への進出に加え、海外展開も掲げている。基盤強化は、既存加盟店への支援強化(単価アップ)になる。

中期経営計画では「5つの重点戦略」を掲げている。「業務用商品(カラー剤、パーマ剤)市場への進出」「既存顧客(代理店、A・C・S登録店)支援体制の強化」「コンサルティング営業の強化」「サロン経営の支援を目的とした子会社の設立」「アジア地域をメインとした海外展開」である。しかし、これらの戦略はバラバラに推進されるものではなく、上述した新分野への進出と基盤強化の2つを達成するために相互に関係しあっている。以下に重点戦略の内容を説明する。

(a)新分野への進出

「業務用商品への進出」が中核となる。業務用商品はカラー剤とパーマ剤で、カラー剤は2014年9月、パーマ剤は2016年3月期中にそれぞれ発売する計画で、共同開発相手として頭髪用化粧品や医薬部外品の製造請負で有名なファインケメティックス(東京豊島区東池袋、北村晋次社長)とすでに提携している。

カラー剤の基本コンセプトは「グレイヘア、敏感肌に対応」、特徴は「植物由来成分90%以上、天然由来成分94%以上」となっている。製品はほぼ完成しているが、実際に期待通りの色が出せるかなどの評価に2014年3月期いっぱいを充てる。

カラー剤に進出する理由は市場規模の大きさにある。理美容室向け化粧品の国内市場は1,394億円(2013年 矢野経済研究所調べ)、商品別ではヘアケア剤が40%を占め、次に規模が大きいのがヘアカラー剤の27%(金額にして381億円)となっている。同社では市場拡大こそ見込めないものの、規模の面で参入余地があると判断した。

また、ヘアカラー剤とパーマ剤に進出すれば、業界トップのミルボンの商品ラインアップをすべて取り扱うことになることも進出の理由と考えられる。スキンケア、メイクアップ化粧品を持っている分、品揃えの面ではミルボンに勝り、事実上のフルラインアップになる。「サロン向け化粧品ならば何でも揃っている」という点が新たな強みになる可能性がある。

業務用商品は使用する際に技術が必要である。そこで、「サロン経営の支援を目的とした子会社の設立」が技術指導の役割を果たすことになる。

サロン経営の支援を目的とした子会社は、「イノベーション・アカデミー」。同社全額出資で2013年7月に設立する。加盟店スタッフの技術研修、セミナー講師の派遣、商品の開発とマーケティングを主な業務とする。ここでの技術研修のほか、インストラクターも育成・派遣し、加盟店への技術指導を行う。

新子会社は2013年9月にも東京に研修施設(ヘアースタジオ)を設置する。これは研修だけでなく、研修のない昼間は同社が雇ったスタッフが美容室として営業する。

サロンのスタッフは低賃金・長時間労働といった非常に過酷な労働環境で働くケースが多い。新設する研修施設は、月給30万円を基本とし、理美容室スタッフが良好な労働環境で働ける経営手法を確立するためのモデル施設にもなる。

さらに、全国で世代交代を迎えているサロンが多いことから、近い将来は跡取りとなる子息の教育の請負も行っていく方針である。

研修施設は、東京を皮切りに全国の営業所にも開設していく。具体的には2014年には札幌と名古屋、2015年には福岡の営業所に設置していく方針までが決まっている。

(b)基盤強化

基盤強化は、「既存顧客支援体制の強化」「コンサルティング営業の強化」の2つの戦略が中核となる。

同社の加盟店は口コミを中心に増加を続けているが、1件当たりの年間の売上単価は2012年3月期974千円(前期比9.8%減)、2013年3月期987千円(同1.3%増)と減少傾向にある。そこで中期経営計画では、既存顧客の支援とコンサルティング営業を強化し、売上単価の上昇に取り組む。目標としては、1件当たりの平均売上単価を月100千円、年間1,200千円程度に引き上げる。

既存顧客支援体制の強化は、営業体制の再編成と営業社員の増員が取組の中心になる。営業体制の再編成では、営業社員が営業だけに専念できる体制にする。営業社員は今まで加盟店への商品配送なども行ってきたが、専門部署を設置し、受注や配送を営業から完全に分離する。


営業体制の再編成に伴い、営業社員の再教育を行うほか、年間10人程度の新規雇用を行う。


コンサルティング営業の強化では、MAPシステムの拡販が中心となる。システムの拡販で経営支援を強化することによって、商品販売につなげる。

ただし、これらは新規の加盟店の拡充に力を入れないという意味ではない。すでに説明したように、同社は首都圏などで空白区があることから、空白区を中心とした新規加盟店の開拓も重要な取り組みに位置付けられている。

(c)海外展開

「アジア地域をメインとした海外展開」は、長期的な成長戦略に位置付けられる。国内は人口減少により、市場拡大が見込めない。経済成長と人口増加の見込めるアジア地域に進出し、収益を拡大していく。

2013年6月に、香港に現地法人を設立し、第一歩を踏み出した。2015年に化粧品の消費者直接販売を開始する。

海外の場合は、商慣習や規制などで理美容室を通じた販売が困難なため、店舗でのカウンセリングを通じて消費者に直接販売する。香港ではショッピングモールの「iSQUARE」に店舗を出す。香港の1号店に次いで、中期経営計画の期間中に5-10店舗の開設を目指す。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤邦光)


《FA》

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