[注目トピックス 日本株]エーバランス Research Memo(7):アジア新興国の再生エネルギー市場を取り込み、高成長を目指す方針

*15:07JST エーバランス Research Memo(7):アジア新興国の再生エネルギー市場を取り込み、高成長を目指す方針
■今後の見通し

3. 今後の成長戦略
(1) グリーンエネルギー事業の成長戦略
Abalance<3856>は、FITの見直しや用地確保の困難性、発電所開発の行政許認可基準の厳格化等によって、今後、太陽光発電所の開発・販売は鈍化するとの見方から、今後の成長を実現していくためには国内外で自社運営を目的とした太陽光発電所の開発に注力し、安定的な収益基盤を構築しながら成長を目指す方針を打ち出している。長期ビジョンでは、2030年に自社保有発電所能力で1,000MW(国内外ともに数百MW規模)を目標に掲げている。

国内では利益率を勘案しながら手持の候補物件の中から開発していくことに加えて、既存発電所の取得も進めていく。一方、海外については東南アジアでの事業展開を進めていく。既にベトナム、カンボジア、バングラデシュに関連会社を設立しており、ベトナムでは太陽電池メーカーのVSUNがあり事業展開していくうえでの体制は構築している。VSUNに関しては今後、WWBが持つEPCや保守・メンテナンス等の事業ノウハウを供与することで、ベトナム内での太陽光発電所の開発・運営などにも事業領域を拡大していくことを視野に入れている。

東南アジアでの展開では前述したベトナムなどのプロジェクトだけではなく、2018年3月にカンボジア政府高官らと、同国における200~300MW規模の太陽光発電所開発プロジェクトに関する覚書も締結している。カンボジアでは電力需要の伸びに対して供給力が追いついておらず、電力代も高いため太陽光発電所の開発ニーズが大きい。現状はベトナムなどのプロジェクトが先に立ち上る見込みだが、ODA(政府開発援助)による資金援助の目途が付けば、カンボジアでもプロジェクトがスタートするものと思われる。その他、中国・吉林省でも開発プロジェクトが進んでいるもようだ。なお、これら東南アジアや中国でのプロジェクトに関しては、WWBの代表取締役であり同社筆頭株主でもある龍 潤生氏が持つ幅広い人的ネットワークを活用して進められている。

中国やインド、東南アジア等における再生可能エネルギーの需要ポテンシャルは大きく、今後2040年までに必要とされる電力量は、中国では米国1国の発電電力量、インドではEUの発電電力量、東南アジアでは日本1国分の発電電力量に匹敵すると言われている。同社はこうした成長市場に積極的に事業展開していくことで、高成長を目指して行く。

(2) 3ヶ年中期経営計画
同社は2021年6月期までの3ヶ年中期経営計画を公表している。最終年度の経営数値目標として、売上高8,231百万円、営業利益619百万円を掲げている。2019年6月期から2021年6月期までの平均成長率で見れば、売上高で6.0%、営業利益で10.0%となり、堅実な成長を計画している。これには、事業の方向性として、ストック型ビジネスである売電事業に収益の軸足を移していく方針が根拠にある。

同社は中期3ヶ年中期経営計画を達成していくための基本方針として、国内ではビジネスネットワークや人材、技術等の経営資源をより一層進化させ、自社運営・保有のための太陽光発電所の開発に注力していくこと、海外ではコストリーダーシップ戦略により、性能が限定的な製品・役務の提供によりブランド認知度を高めていくことでそれぞれ事業を拡大していく方針となっている。

また、重点施策として以下の施策に取り組んでいく。

a) コスト削減を徹底する。国内での電力買取価格の下落基調が続くなかで、仕入価格低減や請負工事体制の合理化、その他オペレーションの効率化等を徹底していくことで、買取価格下落率以上のコスト削減を実現し、収益力を強化する。

b) 自社保有・運営による発電能力の拡大を迅速に進めていくため、財務戦略の多様性を確保しつつ、オペレーションの合理化を図っていく。

c) 単なる製品やサービスの販売だけでなく、顧客となる太陽光発電事業者の収益モデル等の最適化を実現するソリューションを提案するために、顧客フィードバックや情報等の即時共有化の徹底に取り組んでいく。

d) アジア圏での再生可能エネルギー事業の同社ブランド認知度を向上させるため、優秀なバイリンガル人材の拡充・強化に取り組んでいく。

e) IT、建機、グリーンエネルギーのシナジーを高め、戦略的な商品開発や顧客の開拓などで利益を確保していく。

f) 国内で風力発電所の開発、バイオマス事業のほか、マレーシア等の東南アジア圏におけるソーラーシェアリングを展開するなどの海外事業の計画的推進を行っていく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《MH》

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