[注目トピックス 日本株]ユニリタ Research Memo(1):2019年3月期業績は増収ながら将来を見据えた先行投資等により減益

*15:11JST ユニリタ Research Memo(1):2019年3月期業績は増収ながら将来を見据えた先行投資等により減益
■要約

1. 会社概要
ユニリタ<3800>は、金融や製造を始め、幅広い業種向けにITシステムの運用管理を行うパッケージソフトウェア及びデータ活用ソリューションの開発・販売・サポートを手掛けている。2015年4月に連結子会社の(株)ビーコン インフォメーション テクノロジー(以下、ビーコンIT)を吸収合併するとともに、社名を株式会社ビーエスピー(BSP)から株式会社ユニリタに変更。成長領域であるデータ活用分野に強みを持つビーコンITとの経営資源の統合を図ることで、環境変化に対応するための事業構造変革を進めてきた。ITの役割が「守り」(業務効率化やコスト削減等)から「攻め」(ビジネスの競争優位性を実現する手段)へ変化するなか、「システム運用」と「データ活用」領域における強みを活かし、デジタル変革に取り組む企業の業務課題を直接解決するソリューション提供力の強化に取り組んでいる。

2. 2019年3月期決算の概要
2019年3月期の業績は、売上高が前期比33.5%増の9,422百万円、営業利益が同31.8%減の919百万円と増収ながら減益となった。売上高は、(株)無限の連結化により新たに追加された「システムインテグレーション事業」が通年寄与するとともに、「メインフレーム事業」を除く、すべての事業が伸長した。特に、注力する「クラウド事業」の伸びが大きかったほか、「プロダクト事業」についてもシステム運用自動化やデータ活用領域における既存の自社製品販売が堅調であった。一方、利益面で大きく減益となったのは、マーケットニーズへ対応するためのサービス開発や人材育成、移動体系事業(バス事業者向けIoT型ソリューション)における研究開発費など、将来を見据えた先行投資に加えて、技術支援サービスにおける外注費の増加、新人事制度の導入(ベースアップ等)に伴う人件費の増加などが理由である。したがって、減益とはなったものの、先行投資の拡大によるところは、今後の成長につながるものとして捉える必要がある。特に、M&Aや資本業務提携を含め、IT活用による社会課題解決(地方創生、働き方改革、一次産業活性化)に向けた積極的な投資を実施するなど、将来に向けた基盤作りにおいては一定の成果を残すことができた。

3. 2020年3月期の業績見通し
2020年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比6.1%増の10,000百万円、営業利益を同8.8%増の1,000百万円と増収増益を見込んでいる。売上高は、注力する「クラウド事業」と「プロダクト事業」、「ソリューション事業」がそれぞれ順調に伸びる見通し。また、利益面では、積極投資を継続しつつも、増収により増益を確保する想定である。ただ、成長分野であるクラウド事業の収益改善の遅れと管理コストの上昇により、営業利益率は10.0%(前期は9.8%)とわずかの改善にとどまる。

4. 成長戦略
同社は、2019年3月期より3ヶ年の中期経営計画を推進。最終年度である2021年3月期の目標として、売上高を110億円(3年間の平均成長率15.9%増)、営業利益を12.5億円(営業利益率11.4%)、ROE 7.6%を掲げている。市場が縮小傾向にある「メインフレーム事業」を除く、すべての事業を伸ばす計画となっているが、とりわけ需要が拡大している「クラウド事業」を成長分野と位置付けており、クラウドソリューションの強化、業界SaaS事業(人事系、移動体系、農業系)への新たな取り組みが戦略の目玉となっている。

弊社でも、足元の利益水準は先行投資の影響により低調に推移しているものの、デジタルトランスフォーメーション※の進展を含め、市場環境が急激に変化するなかで、積極投資の継続やプロダクトミックスの入れ替えなどにより、将来を見据えた基盤づくりに注力する戦略には合理性があると評価している。見方を変えれば、次世代の収益の柱をいかに育てていくのかが最大の課題であり、同社独自の業界SaaS事業の進展など、ポテンシャルが大きく、先行者利益が狙える事業の進捗に注目していきたい。

※ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという概念である。


■Key Points
・2019年3月期の業績は大幅な増収ながら減益。一部製品の販売未達に加え、新規事業や成長分野への先行投資が利益を圧迫
・ただし、M&Aや資本業務提携を含め、IT活用による社会課題解決に向けた積極的な投資を実施するなど、将来に向けた基盤づくりにおいては一定の成果を残すことができた
・2020年3月期の業績は積極投資を継続しつつも増収増益を確保する見通し
・顧客のデジタル変革ニーズに対応するクラウドソリューションを軸に据え、特定業界に特化したSaaS事業(人事系、移動体系、農業系)への取り組みなどにより成長を加速する方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



《YM》

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