[注目トピックス 日本株]翻訳センター Research Memo(1):2019年3月期は全セグメントが増収。5期連続増益・増配を達成

*16:01JST 翻訳センター Research Memo(1):2019年3月期は全セグメントが増収。5期連続増益・増配を達成
■要約

翻訳センター<2483>は、翻訳業界の国内最大手。医薬分野の専門翻訳会社として創業し、工業・ローカライゼーション、特許、金融・法務など専門性の高い産業翻訳分野で領域を拡大してきた。現在は翻訳だけでなく通訳、派遣、国際会議運営(コンベンション)、通訳者・翻訳者教育などに多角化し、顧客企業のグローバル展開における幅広い外国語ニーズに対応する。多数の中小プレーヤーがひしめく分散業界において、組織化・システム化された営業・制作機能を整備し、品質・スピード・コストのバランス、大規模案件対応などで他社の一歩先を行く。国内翻訳業界1位はもちろん、世界の語学サービス企業でも上位のポジションである。

1. 事業内容
主力の翻訳事業では、分野特化戦略を推進しており、「特許」「医薬」「工業・ローカライゼーション」「金融・法務」の4分野ごとに組織が分かれ、専門化してノウハウを蓄積している。グループネットワークを生かしたサービスの提案、ICTによる登録者マッチングシステムも強みである。現場で制作を担当するのは約2,900名の登録者であり、翻訳支援ツールを使い効率的かつ品質の高い翻訳サービスの提供を行っている。大規模プロジェクトや多言語対応などに機動的に対応できることも同社の強みである。連結子会社(株)アイ・エス・エスが行う、コンベンション事業、派遣事業、通訳事業はそれぞれの分野でポジションを築いているが、相互に関連していて翻訳事業を含めたクロスセリングが行われ、グループのシナジーが発揮されている。

2. 業績動向
2019年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比13.0%増の12,008百万円、営業利益が同12.2%増の900百万円、経常利益が同11.4%増の905百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同11.2%増の630百万円と5期連続の営業増益を達成した。売上高に関しては、すべてのセグメントが増収。主力の翻訳事業では特に工業・ローカライゼーション分野や特許分野の伸び率が高く全社の成長に貢献した。さらにコンベンション事業は高い伸びを示し(前期比36.3%増)、派遣事業と通訳事業も堅調に推移した。営業利益に関して、増益に貢献したのは主に翻訳事業である。セグメント利益を前期と比較すると、翻訳事業において前期から110百万円増加。翻訳事業における増収効果と粗利率の向上が進捗したことが要因である。

2020年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比4.9%増の12,600百万円、営業利益が同14.3%増の1,030百万円、経常利益が同13.8%増の1,030百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.9%増の680百万円と4期連続の増収増益を予想する。引き続き主力の翻訳事業におけるシェア拡大が成長戦略の基本となる。前期に本格的に着手したAI・ICTなどの最先端技術を積極的に取り込み、翻訳制作の生産性向上、社内業務プロセスの効率化を行うことで収益性の改善も図る。営業利益率は0.8ポイント向上して8.1%の見込み、営業利益の増加率は14.3%(前期は12.2%)といずれも前期を超えており、特に収益性の改善につながる機械翻訳(NMT)の活用戦略推進に手応えをつかんでいることがうかがえる。

3. 成長戦略
同社は、機械翻訳(NMT)を翻訳工程に取り入れ、特許分野を皮切りに翻訳作業時間の短縮を図る取り組みを始めている。2019年1月からは医薬分野でも機械翻訳エンジンの使用を開始、生産性と品質の向上に関しても実績が出始めている。

機械翻訳(NMT)を活用した新たなビジネスモデルの構築への挑戦も始まっている。「Mirai TranslatorTM」を販売し、顧客社内の翻訳業務の効率化を提案するものだ。機械翻訳(NMT)の精度向上には上質な教師データが不可欠だ。過去の翻訳のビッグデータを保有する同社が人手翻訳のデータを使って個社専用の機械学習用対訳(コーパス)を作成し、機械翻訳エンジンをカスタマイズする。その機械翻訳エンジンを使うことにより顧客社内の翻訳業務の効率化につなげるというビジネスモデルである。顧客企業にとっては、過去の言語資産を一元的に活用し、翻訳作業の効率化が実現できることになる。同社にとっては、「Mirai TranslatorTM」導入企業内に散在する人手翻訳ニーズの集約につながる。同社及び翻訳業界は、大きなビジネスモデルの転換点に立っている。早ければ今期中にも、このビジネスモデルの成果が見え始めることになるだろう。

4. 株主還元策
同社は、企業の利益成長に応じた継続的な還元を行うことを方針としている。2019年3月期の1株当たり配当金は年間35円、配当性向は18.6%だった。6円増配はこれまでにない大幅なもので、5期連続の増配となる。2020年3月期は、配当金年間42円(6期連続増配)、配当性向20.4%を予想する。

■Key Points
・2019年3月期は全セグメントが増収。主力の翻訳事業が増益をけん引し5期連続増益を達成
・第四次中期経営計画初年度はすべての目標を達成。機械翻訳(NMT)と新たなビジネスモデルを推進中
・2019年3月期は5期連続となる大幅増配(6円増)、進行期も増配予想

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)


《SF》

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