*15:06JST ドーン Research Memo(6):消防機関向け映像通報システム「Live119」を開発中
■中長期の成長戦略

ドーン<2303>は全国の消防本部向けに、119番通報の際にスマートフォンによるビデオ通話を行う映像通報システム「Live119」を2019年秋リリースする。消防指令センターは、通報者が撮影する映像から通報現場の詳しい状況(傷病や火災の様子)を確認し、音声だけでは把握が難しい視覚情報をリアルタイムで収集することができる。
また、救急隊への映像転送が可能なため、救急隊員から通報者への効果的な口頭指導を支援する。同システムは、音声による119番の際に、通報者が特別なアプリをダウンロードすることなく、スマートフォン使用者であれば誰でも利用できるクラウドサービス。Webブラウザ上でリアルタイムに映像の通信を行う新技術を採用しており、心理的な余裕がない緊急通報の際にも簡単な操作で迷うことなく使用できる。

ビデオ通話は、消防の判断により必要に応じて通報者にSMS(ショートメッセージサービス)で依頼する。119番通報の発信元電話番号に案内されるWebサイトに通報者がアクセスすることでビデオ通話が開始される。映像には、例えば「もう少し左側を映してください」といった、消防からの具体的な指示を文字で表示できる。
また、消防側では位置情報付きの地図と連動した映像を確認することができる。映像により事故の状況を客観的に把握したり、傷病者の脈拍や呼吸状態の確認したり、応急処置などの口頭指導もスムーズに実施できる。

同システムは、同社のクラウドサービス「Net119」を使用する、ある消防本部の現場の声から開発がスタートした。消防・防災の業務プロセスに精通し、信頼性の高いクラウドシステムを提供してきた同社の強みを最大限生かした同社ならではの取り組みと言える。2019年秋からは、一部の消防本部で試験運用を開始予定。2020年春からは本格運用がスタートする。
今後5年以内に全国の消防本部の約3割に当たる200本部での導入を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)


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