2021年3月期の業績予想については、新型コロナウイルス感染症拡大による影響等により不確実性が高いことから、現時点では未定とし、開示が可能となった段階で公表することとしている。現時点での影響としては、プラス要因として巣ごもり需要による各種デジタルコンテンツの販売増が見込める一方で、マイナス要因としては書店や映画館の休業やイベントの中止、コンテンツ製作面での遅れなどの影響がある。また、2020年7月にオープン予定であった「ところざわサクラタウン」についても、同年11月以降にオープン時期を延期している。同社では環境の激変を好機と捉えて、DX(デジタルトランスフォーメーション)による事業構造改革をさらに加速していくと同時に、IP(知的財産)創出及びデジタル関連事業の一段の強化と不採算事業の整理などに取り組み、より強固な収益基盤を固めていく方針としている。
3. 中期経営戦略について
同社は2023年3月期までの中期経営計画において、DXの推進により同社が強みとするIP創出力とメディアミックス戦略を国内外で展開し、成長を目指す基本戦略を打ち出している。また、ESG/SDGsを意識した経営にも取り組んでいく方針で、所沢新工場の稼働による製造・物流改革で紙資源消費の抑制を図っていくほか、オンライン教育事業の強化、テレワークなどの働き方改革なども進めていく。こうした基本戦略について大筋で変更はないものの、2021年3月期業績予想の開示時点で、より具体的な内容を明示する予定となっている。
■Key Points
・2020年3月期はドワンゴの事業構造改革効果で大幅増益を達成
・DXによる事業構造改革を推進し、IPの創出及びデジタル関連事業の強化、不採算事業の見直しなどにも取り組む
・IPの「創出力×展開力×体験力」を成長エンジンとして収益拡大を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《EY》
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