■中期経営計画
1. 中期経営計画の概要
シンバイオ製薬が2020年2月に発表した3ヶ年の中期経営計画では、2021年12月期の営業利益の黒字化を計画している。前述したように2021年から自社販売体制に移行することで、販売価格の上昇と売上総利益が拡大すること、また、「トレアキシン(R)」が凍結乾燥注射剤からRTD製剤に切り替わることによる売上総利益率の改善が見込まれるほか、2021年第3四半期以降に再発・難治性DLBCL向けに適応拡大されることによる売上高の一段増によって、2021年12月期は売上高で9,008百万円、営業利益は1,031百万円となる見通しだ。
売上総利益率に関しては、自社販売体制への移行、並びにRTD製剤への切り替えが進むことによって、2020年12月期予想の33.7%から2022年12月期は70~80%に上昇する見込みとなっている。また、販管費は2020年12月期予想で6,236百万円だが、2021年12月期以降も60億円前後の(マイルストーン支払い除く)の水準が続くことを想定している。このうち、研究開発費については「トレアキシン(R)」「リゴセルチブ」「BCV」の開発計画の想定に基づいて費用を計上しており、新規パイプラインの導入に関する契約一時金等の費用は織り込んでいない。その他販管費については、「トレアキシン(R)」の営業・マーケティング業務、生産物流業務、事業開発業務、管理業務関連費用などで構成される。人員については2020年末時点で152名を予定しているが、その後は大きな増員を計画していない。なお、2021年12月期以降の当期純利益が経常利益を上回るのは、黒字化に伴い繰越欠損金等の解消が進むことの影響額を税効果会計に反映したためだ。