■事業概要等
1. 空間シェアリングによる市場創造型の事業展開
ティーケーピーによる「貸会議室ビジネス」は、不動産オーナーから遊休資産・低収益物件・不採算資産を割安で借り上げ、会議室や宴会場などに「空間」を「再生」し、シェアリングエコノミーとして付加価値を提供するというものである。不動産オーナーから大口取引で不動産を賃貸などで割安に仕入れ、物件を貸会議室などに利用できるように照明・カーペット・壁紙などリノベーションを行うとともに、ケータリングや宿泊、各種オプションなど周辺サービスを付加する。顧客は主に会議室利用を求める法人であり、顧客側にとっては自社で会議室を保有するのに比べ、費用の削減、業務の集約化、多目的の利用が可能になるなどのメリットが多い。したがって、同社の事業は、大口取引を望む供給側と小口販売・シェアリングを望む需要側をうまくつないでいると言える。最近では、グレードの高いオフィスビルの企画・設計の段階から、同社仕様による会議室をあらかじめ設けることにより、共有部分の有効活用(収益化等)を手掛ける新しいシェアリングの形も増えているようだ。
また、日本リージャス社を子会社化したことにより、これまでの会議室利用に加えて、短中期のオフィス利用(レンタルオフィスやコワーキングスペース)へとサービス領域を拡充した。多様なスペースの活用が可能となったことにより、広範な顧客ニーズを取り込むとともに、成長が期待できるフレキシブルオフィス市場での事業基盤を一気に確立することができた。