■ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスの事業概要
1. 事業概要
かつては「良い物を作れば売れる」というプロダクトアウトの時代であったが、1970年代半ば以降は市場の成熟・飽和からマーケットインへと移行した。さらに、インターネット及びスマートフォンの普及により、販売チャネルがリアル店舗だけでなくeコマースへと拡大した。少子高齢化及び人口減経済の進展、ライフスタイルの多様化と事業環境が変化するなか、企業はコアコンピタンスが発揮できる分野に事業範囲を絞る。メーカーならば研究開発・製品製造・マーケティング戦略に集中し、販売/営業・アフターフォローを本格的にアウトソーシングする時代になった。
同社の祖業は人材派遣サービスであるが、今では人材派遣だけではなく、クライアントの業績向上に貢献することを目的として、セールスプロモーション企画の立案、コンサルティングから人材育成、調査レポーティング、販売事務局運営、労務管理、成果追求までを一括して請負う「“成果追求型営業支援”企業」として事業基盤を築いている。近年は積極的なM&Aにより事業領域が拡大し、デジタルビジネスの売上高構成比が5割近くになった。事業形態は今や、クライアントのフィールドセールスからインサイドセールスに加え、EC支援・受託ビジネスまでをカバーし、オムニチャネルに対応したサービスを提供するまでに拡大した。2019年に持株会社制に移行し、同社が従来から持っていた「ヒト力」に「IT」を加え、「リアル」「EC」を掛け合わせた営業支援の形、すなわち「オムニチャネル営業支援プラットフォーム」を構築した。