アイランド(島事業=ブランド事業)とオーシャン(海事業=テクノロジー事業)の連携により、それぞれの特性を組み合わせて成長を加速する方向性である。すなわち、「ブランド製品事業」においては、既述のとおり、顧客志向に立った新たな体験を提供するための技術革新に取り組むとともに、「テクノロジーソリューション事業」においては、独自技術のデファクトスタンダード化を推進することで、ユーザーの裾野を拡げながら規模拡大を優位に進めていく戦略と言える。OSの壁を越えてデジタルペン技術(EMR方式、アクティブES方式)のデファクトスタンダード化を推進した結果、メーカー各社からは高い評価を得ており、次世代向けのプロジェクト数も順調に伸びている。
(3) 大胆な選択と集中
市場変化に対応した製品ポートフォリオへの組み替えを進めるとともに、販管費の最適化により収益性の向上にも取り組んでいく方針である。2019年1月に販売を開始した「ディスプレイ製品」のエントリーモデルを軌道に乗せ、プロと一般ユーザーの中間にあるユーザー層(フリーランスやデザインを学ぶ学生など)を取り込むことに成功しつつある。さらに足元では、コロナ禍を追い風としてオンライン教育向けの需要が急増しており、新たな需要の獲得に向けても成果が現われ始めた。また、販管費の最適化については、持続的な成長に向けて研究開発費は高い水準を維持する一方、それ以外の費用については可能な限り効率化を図っており、メリハリのある資金配分を行っている。