17日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比7.28ポイント(0.21%)高の3525.60ポイントと4日ぶりに反発した(上海A株指数は0.21%高の3695.43ポイント)。

政策期待の強まりが相場を支える流れ。
16日公表された今年5月の各種経済統計が下振れし、経済回復ペースの鈍化が警戒される中、「当局は景気対策を継続する」との見方が改めて広がっている。上海総合指数は前日までの続落で約3週ぶりの安値水準を切り下げていただけに、買い戻しも先行した。ただ、全体として上値は重い。欧米との関係悪化懸念が根強いほか、海外マネー流入継続の期待も後退した。米国では緩和策の縮小観測で、米長期金利が上昇。この日の上海外国為替市場では、対米ドルの人民元相場が約3週ぶりの元安水準で推移している。
(亜州リサーチ編集部)

業種別では、ハイテク関連の上げが目立つ。LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)やパワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)、半導体モジュール生産の嘉興斯達半導体(603290/SH)がそろってストップ高、携帯端末ODM(開発・製造受託サービス)の聞泰科技(ウイングテック・テクノロジー:600745/SH)が7.2%高、半導体デバイスの上海韋爾半導体(WILLSEMI:603501/SH)が5.9%高、で引けた。上海市場のハイテク企業向け市場「科創板」では、上海科創50(Star50)が4.8%高。今年1月下旬以来の高値水準を回復した。

海運株も高い。中遠海運HD(601919/SH)が9.6%上昇した。
食品飲料株、自動車株、医薬品株、公益株なども買われている。

半面、石油・石炭株はさえない。中国石油化工(600028/SH)が4.5%、中国石油天然気(601857/SH)が1.5%、中国中煤能源(601898/SH)が1.3%ずつ下落した。金融株、素材株、不動産株の一角も売られている。

一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.32ポイント(0.52%)安の251.49ポイント、深センB株指数が0.29ポイント(0.03%)高の1163.25ポイントで終了した。

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