中国経済の回復鈍化が警戒される。国内では新型コロナウイルス感染が再び拡大しつつあり、行動規制も一部で強化された。中でも内モンゴルでは、都市封鎖により観光客約9700人が足止めされたと伝わっている。米中関係の悪化懸念も再燃。中国共産党系メディアの環球時報は27日、「台湾問題を巡り、米国が新たな攻撃を始めた」と非難した。それに先立つ25日、習近平・国家主席は中国の国連加盟50周年を祝う演説で、米国の台湾支援スタンスを暗に批判している。
「ニューエコノミー」関連銘柄に売りが先行。ハンセン科技指数は3.2%安と他の指数をアウトパフォームした。組み入れウエート上位の「ATMX」銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が3.0%安、騰訊HD(テンセント:700/HK)が3.0%安、美団(メイトゥアン:3690/HK)が5.1%安、小米集団(シャオミ:1810/HK)が2.2%安と値を下げている。
半導体セクターも安い。上海復旦微電子集団(1385/HK)が6.2%、華虹半導体(1347/HK)が5.1%、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が3.2%ずつ下落した。半導体パッケージング・テスティング機器大手のASMが公表した7~9月期決算は利益が4倍に拡大し、売上高は上振れたものの、好感する買いは限定されている。
石炭・石油セクターもさえない。エン州煤業(1171/HK)が5.1%安、中国中煤能源(1898/HK)が3.4%安、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が2.0%安で引けた。石炭株については、当局の価格統制スタンスも引き続き売り材料視されている。
半面、火力・風力発電、電力設備の銘柄群は高い。華能国際電力(902/HK)が7.9%、華電国際電力(1071/HK)が6.0%、龍源電力集団(916/HK)が1.6%、新疆金風科技(2208/HK)が11.9%、ハルビン電気(1133/HK)が2.5%ずつ上昇した。華電国際と華能国際が発表した1~9月期決算は、それぞれ減益を強いられたものの、嫌気する売りはみられていない。他方、風力発電プラント大手の新疆金風科技が公表した1~9月期業績は、46%増益と好調だった。
そのほかにも業績動向を手がかりにした物色がみられる。
一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.98%安の3562.31ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。
亜州リサーチ(株)