週明け26日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比186.63ポイント(1.06%)高の17798.16ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が59.39ポイント(0.95%)高の6278.63ポイントと反発した。売買代金は835億8570万香港ドルとなっている(23日は787億7310万香港ドル)。


米利下げ期待が相場を支える流れ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は23日、ジャクソンホール会議(各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム)で講演し、「政策を調整する時期が来た」と述べ、近く利下げを実施することを示唆した。香港は金融政策で米国に追随するため、米利下げで域内金利も下がると期待されている。中国の不動産支援スタンスもプラス。住宅都市農村建設部の董建国・副部長は23日の記者会見で、不動産市況の改善に向けた在庫住宅の買い上げ政策を加速させると表明した。(亜州リサーチ編集部)

ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が6.8%高、香港不動産の九龍倉置業地産投資(1997/HK)が6.4%高、中国ミネラルウォーター最大手の農夫山泉(9633/HK)が6.1%高と上げが目立った。

セクター別では、香港と中国の不動産が高い。上記した九龍倉置業地産投資のほか、新世界発展(17/HK)が3.8%、恒基兆業地産(12/HK)が3.8%、世茂集団HD(813/HK)が5.0%、万科企業(2202/HK)が4.0%ずつ上昇した。

石油や非鉄、産金など資源関連株もしっかり。中国石油天然気(857/HK)が1.6%高、中国海洋石油(883/HK)が1.2%高、中国アルミ(2600/HK)が4.2%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.6%高、招金鉱業(1818/HK)が2.8%高、紫金鉱業集団(2899/HK)が2.1%高で引けた。中東地域の地政学リスクが高まる中、資源高の思惑が広がっている。洛陽モリブデンについては、中間決算の利益7.7倍が材料視された。


そのほか、業績動向を手がかりにした物色では、テレビメーカー中国大手のTCL電子HD(1070/HK)が3.3%高。同社が23日引け後に報告した中間決算は、利益が2.5倍に拡大した。石炭生産で国内2位の中国中煤能源(1898/HK)は中間決算が減益だったものの、配当実施方針(前年はなし)を示したことで2.8%高で取引を終えている。

半面、スマートフォン関連銘柄の一角は安い。光学部品OEMメーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が2.1%、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(2018/HK)が1.7%、中国スマホ部品メーカーの丘タイ科技(1478/HK)が0.8%ずつ下落した。

そのほか、鉄道車両最大手の中国中車(1766/HK)が4.6%安。同社の中間決算は21%増益にとどまった。減益決算を嫌気し、薬品卸中国最大手の国薬HD(1099/HK)が2.5%値を下げている。

一方、本土市場は小幅に続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.04%高の2855.52ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。エネルギー株、素材株、自動車株、インフラ建設株、運輸株なども買われた。
半面、医薬株は安い。公益株、ハイテク株、酒造・食品株、銀行株も売られた。

亜州リサーチ(株)

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