中盤から買いが優勢となる流れ。中国経済対策の期待感が根強いほか、9月の米利下げ観測が相場を支えている。また、主要企業の中間決算報告が香港で終盤に入る中、増益や黒字転換、配当増など好決算が多く見られることも好感された。もっとも、上値を買い進む動きはみられない。中国Eコマースの成長鈍化や、中国の財政不安が投資家の慎重スタンスを強めている。格安サイト「Temu」を運営するピン多多(PDD/NASDAQ)の4~6月期決算は売上高が予想を下回ったうえ、成長が鈍化するとの弱気見通しも示された。ほか、中国財政部が26日発表したデータによると、今年1~7月の一般公共予算収入(財政収入)が前年同期比で2.6%減少する一方、支出は2.5%増えている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、旅行サイト中国大手の携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が9.0%高、即席麺・飲料大手の康師傅HD(ティンイー:322/HK)が6.1%高、香港不動産デベロッパーの恒基兆業地産(12/HK)が4.1%高と上げが目立った。携程集団については、4~6月期決算の利益6倍が材料視されている。ティンイーの中間決算は15%増益だった。
セクター別では、石油・石炭が高い。
中国の銀行セクターもしっかり。中国建設銀行(939/HK)が1.7%高、中国農業銀行(1288/HK)が1.6%高、中国工商銀行(1398/HK)が1.3%高で引けた。
半面、Eコマース大手2社はさえない。阿里巴巴集団HD(アリババ9988/HK)が4.0%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK)が3.7%安と値を下げた。上述したように、ピン多多の成長鈍化見通しが売り材料視されている。
中国の不動産セクターも安い。建発国際投資集団(1908/HK)が4.7%、旭輝(884/HK)が4.3%、雅居楽集団HD(3383/HK)が3.4%、融創中国HD(1918/HK)が3.0%ずつ下落した。
一方、本土市場は3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.24%安の2848.73ポイントで取引を終了した。不動産株が安い。
亜州リサーチ(株)