24日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比753.45ポイント(4.13%)高の19000.56ポイントと急反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が325.39ポイント(5.09%)高の6714.47ポイントと大幅に8日続伸した。ハンセン指数の上昇率は今年最大に達し、5月22日以来、約4カ月ぶりに節目の19000ポイントを回復している。
売買代金は2423億9870万香港ドルに拡大し、今年最大を記録した(23日は1242億8940万香港ドル)。

投資家心理が大きく上向く流れ。中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝・総裁と国家金融監督管理総局の李雲沢・局長、中国証券監督管理委員会の呉清・主席は24日、共同で記者会見に臨み、一連の景気支援策を発表した。人民銀は近く、預金準備率を0.5%引き下げる。7日物リバースレポ取引の金利を1.70→1.50%に0.20ポイント引き下げ、既存住宅ローンの金利も引き下げる方針を明らかにした。また、中国証券監督管理委員会は株式相場の安定化に向け、中長期資金の市場参加を支援するための政策を打ち出す方針を示している。国内の景気懸念がくすぶる中、当局は今年の経済成長目標(5.0%前後)達成のため、経済対策を強める構えだ。ハンセン指数などは徐々に上げ幅を広げ、引けにかけて一段高となっている。(亜州リサーチ編集部)

ハンセン指数の構成銘柄では、中堅行の招商銀行(3968/HK)が10.8%高、中国電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK))が10.2%高、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が10.1%高と上げが目立った。

セクター別では、中国の金融が高い。上記した招商銀のほか、交通銀行(3328/HK)が6.4%、中国工商銀行(1398/HK)が5.9%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が12.5%、新華人寿保険(1336/HK)が8.3%、中信証券(6030/HK)が10.4%、中信建投証券(6066/HK)が9.8%ずつ上昇した。

中国の不動産セクターも急伸。
広州富力地産(2777/HK)が16.0%高、旭輝(884/HK)が14.0%高、融創中国HD(1918/HK)が13.6%高、合景泰富地産(1813/HK)が10.9%高で引けた。

新興EV(電気自動車)関連も物色される。蔚来集団(9866/HK)が11.1%高、理想汽車(2015/HK)が10.1%高、小鵬汽車(9868/HK)が6.5%高、浙江零ホウ科技(9863/HK)が6.1%高で取引を終えた。

他の個別株動向では、日用雑貨チェーンの名創優品集団HD(9896/HK)が23.9%逆行安している。中国で「名創優品(MINISO)」を展開する同社は23日、スーパーマーケットの永輝超市(601933/SH)に資本参加すると発表(京東集団など既存株主から株式を購入する)。業績不振の永輝超市(601933/SH)に出資することが不安視された。永輝超市株は本土市場でストップ(10.0%)高している。

一方、本土市場は5日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比4.15%高の2863.13ポイントで取引を終了した。金融株が相場をけん引。ハイテク株、消費関連株、資源・素材株、インフラ関連株、公益株、不動産株なども上げが目立った。

亜州リサーチ(株)

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