投資家のリスク選好が継続する流れ。中国当局は今年の経済成長目標(5.0%前後)達成を図り、景気支援策を集中して打ち出している。直近では、中国人民銀行(中央銀行)が29日、住宅ローン金利の変更を柔軟にすると公表した。広州市政府は29日、住宅購入の規制を全て撤廃すると発表。上海市や深セン市なども規制を緩和することを明らかにした。また、李強・首相は29日、国務院(内閣に相当)で演説し、新しい漸進的な経済政策を適時に検討するとしたうえで、すでに決定している政策の実施ペースを加速していくと述べている。指数は高く寄り付き、徐々に上げ幅を広げた。
一方、官民で朝方公表された景況感指数は、強弱感が分かれている。国家統計局などが集計した9月の製造業PMIは49.8となり、予想(49.4)を上回ったものの、中小企業の割合が多い民間集計の財新中国製造業PMIは49.3となり、予想に反して前月から低下した。相場に対する影響は限定されている。
なお、中国ではあす10月1日、国慶節の大型連休がスタート。中国本土市場は1~7日が休場となる。
業種別では、不動産の上げが目立つ。保利発展控股集団(600048/SH)、金地集団(600383/SH)、新城控股集団(601155/SH)、緑地HD(600606/SH)などが先週末に続きストップ(10.0%)高した。
ハイテク株も急伸。LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)や半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)などがそろってストップ(10.0%)、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が9.9%高、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が9.5%高で引けた。
医薬株も物色される。北京同仁堂(600085/SH)やショウ州片仔コウ薬業(600436/SH)、薬明康徳(603259/SH)、上海復星医薬集団(600196/SH)などがそろってストップ(10.0%)で取引を終えた。そのほか、消費関連株、金融株、資源株など全業種が買われている。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が15.35ポイント(6.03%)高の270.12ポイント、深センB株指数が69.69ポイント(5.95%)高の1241.23ポイントで終了している。
亜州リサーチ(株)