投資家の慎重スタンスが継続する流れ。対中関係の悪化が投資家心理の重しとなっている。バイデン政権が先端技術分野の対中投資規制を最終決定したことに関し、中国当局は対抗措置を打ち出すと示唆した。また、欧州連合(EU)は中国製電気自動車(EV)に対する関税を最大45.3%に引き上げることを正式承認している。ほか、11月1日に公表される10月の米雇用統計や、5日の米大統領選なども気がかり材料として意識された。
ただ、下値は限定的。中国指標の上振れなどを手がかりに、指数は小高く推移する場面もみられている。寄り付き直後に公表された10月の製造業PMIは市場予想(49.9)を上回る50.1に改善し、景況判断の境目となる50を6カ月ぶりに超過した。非製造業PMIは50.2となり、予想(50.3)には届かなかったが、前月(50.0)を上回っている。ただ、上値は限定的。昨夜の米半導体株安が嫌気されたほか、対外関係の悪化も不安視されている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.3%安、豚肉生産で世界トップの万洲国際(288/HK)が5.0%安、新エネルギー自動車(NEV)大手、比亜迪(BYD:1211/HK)が4.6%安と下げが目立った。
医薬・医療機器の銘柄群も安い。緑葉製薬集団(2186/HK)が4.8%、百済神州(6160/HK)が4.5%、微創医療科学(853/HK)が3.2%、上海微創医療機器人集団(2252/HK)が2.5%ずつ下落した。
産金セクターもさえない。中国黄金国際資源(2099/HK)が4.1%安、山東黄金鉱業(1787/HK)が2.6%安、霊宝黄金(3330/HK)が2.2%安、招金鉱業(1818/HK)が1.9%安で引けた。
半面、中国の証券セクターはしっかり。中信証券(6030/HK)が5.9%高、招商証券(6099/HK)と第一上海投資(227/HK)がそろって3.4%高、申万宏源集団(6806/HK)が4.2%高で取引を終えた。中信証券の7~9月期決算は22%増益。足元の相場活況を受け、通期業績の上積みも期待された。
半導体やAI(人工知能)の関連銘柄も物色される。蘇州貝克微電子(2149/HK)が2.3%、晶門半導体(2878/HK)が1.8%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.7%、北京第四範式智能技術(6682/HK)が24.9%、青島創新奇智科技集団(2121/HK)が11.7%ずつ上昇した。
一方、本土市場は3日ぶりに反発。
亜州リサーチ(株)