31日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比63.31ポイント(0.31%)安の20317.33ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が22.39ポイント(0.31%)安の7264.11ポイントと続落した。売買代金は1544億7930万香港ドルとなっている(30日は1666億4480万香港ドル)。


投資家の慎重スタンスが継続する流れ。対中関係の悪化が投資家心理の重しとなっている。バイデン政権が先端技術分野の対中投資規制を最終決定したことに関し、中国当局は対抗措置を打ち出すと示唆した。また、欧州連合(EU)は中国製電気自動車(EV)に対する関税を最大45.3%に引き上げることを正式承認している。ほか、11月1日に公表される10月の米雇用統計や、5日の米大統領選なども気がかり材料として意識された。

ただ、下値は限定的。中国指標の上振れなどを手がかりに、指数は小高く推移する場面もみられている。寄り付き直後に公表された10月の製造業PMIは市場予想(49.9)を上回る50.1に改善し、景況判断の境目となる50を6カ月ぶりに超過した。非製造業PMIは50.2となり、予想(50.3)には届かなかったが、前月(50.0)を上回っている。ただ、上値は限定的。昨夜の米半導体株安が嫌気されたほか、対外関係の悪化も不安視されている。(亜州リサーチ編集部)

ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.3%安、豚肉生産で世界トップの万洲国際(288/HK)が5.0%安、新エネルギー自動車(NEV)大手、比亜迪(BYD:1211/HK)が4.6%安と下げが目立った。
BYDの7~9月期決算は11.5%増益と堅調だったが、好材料がいったん出尽くしたとの見方も出ている。

医薬・医療機器の銘柄群も安い。緑葉製薬集団(2186/HK)が4.8%、百済神州(6160/HK)が4.5%、微創医療科学(853/HK)が3.2%、上海微創医療機器人集団(2252/HK)が2.5%ずつ下落した。

産金セクターもさえない。中国黄金国際資源(2099/HK)が4.1%安、山東黄金鉱業(1787/HK)が2.6%安、霊宝黄金(3330/HK)が2.2%安、招金鉱業(1818/HK)が1.9%安で引けた。

半面、中国の証券セクターはしっかり。中信証券(6030/HK)が5.9%高、招商証券(6099/HK)と第一上海投資(227/HK)がそろって3.4%高、申万宏源集団(6806/HK)が4.2%高で取引を終えた。中信証券の7~9月期決算は22%増益。足元の相場活況を受け、通期業績の上積みも期待された。

半導体やAI(人工知能)の関連銘柄も物色される。蘇州貝克微電子(2149/HK)が2.3%、晶門半導体(2878/HK)が1.8%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.7%、北京第四範式智能技術(6682/HK)が24.9%、青島創新奇智科技集団(2121/HK)が11.7%ずつ上昇した。

一方、本土市場は3日ぶりに反発。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.42%高の3279.82ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。不動産株、証券株、インフラ関連株、公益株、素材株、消費関連株なども買われた。半面、銀行株は安い。エネルギー株、医薬株も売られた。

亜州リサーチ(株)

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