*16:50JST 10日の中国本土市場概況:上海総合0.9%高で7日ぶり反発、保険セクター相場けん引
連休明け10日の中国本土マーケットは値上がり。主要指標の上海総合指数は、前営業日比24.33ポイント(0.86%)高の2852.13ポイントと7日ぶりに反発した。
上海A株指数も上昇し、25.52ポイント(0.86%)高の2987.32ポイントで取引を終えている。

自律反発狙いの買いが先行。先週までの上海総合指数は6日続落し、約3カ月半ぶりの安値水準に落ち込んでいた。国内景気の先行き不安がくすぶるなか、指数は寄り付き後マイナス圏に沈む場面もみられたものの、買いの勢いが再び増している。取引時間中に公表された5月の中国貿易統計は、輸出が上振れる一方、輸入が下振れるなどまちまちの内容。国内消費の弱さが意識されたが、景気テコ入れ策に対する期待感は逆に強まった。
マーケットへの資金流入期待も広がる。中国銀行保険監督管理委員会の報道官は9日、現地メディアの取材に対し、保険会社の株式投資規制を緩和する方向で検討を進めていると報告した。

保険株が相場をけん引。中国平安保険(601318/SH)が2.6%高、中国太平洋保険(601601/SH)が2.1%高と上昇した。株式投資規制の緩和を通じ、収益が拡大するとの思惑が高まっている。消費関連株もしっかり。
業界大手の青島ビール(600600/SH)が2.7%高、スーパーマーケット大手の永輝超市(601933/SH)が1.5%高と値を上げた。港湾・海運株、不動産株、自動車株、医薬品株、インフラ関連株、ハイテク株の一角なども買われている。

農業関連株も急伸。農業生産会社の新疆農業総合開発(600359/SH)と同業の湖南全建米業(600127/SH)、トウモロコシ加工の万向徳農(600371/SH)などがそろってストップ高した。主要農産物の国内自給率を高めるために、中国当局は各種の支援策を打ち出している。

半面、証券株は安い。
中国銀河証券(601881/SH)が3.8%、華泰証券(601688/SH)が1.9%、海通証券(600837/SH)が1.5%ずつ値を下げた。空運株もさえない。中国東方航空(600115/SH)が1.5%下落した。人民元相場が約半年ぶりの元安水準に達したことがマイナス。空運各社は米ドル建て債券が多いだけに、実質コストの上昇が懸念された。中国人民銀行(中央銀行)総裁が先週末、「元相場に超えてはいけない一線はない」と発言するなか、人民元レートの先安が意識されている。


一方、外貨建てB株は値上がり。上海B株指数が1.19ポイント(0.43%)高の281.32ポイント、深センB株指数が7.11ポイント(0.78%)高の918.38ポイントで終了した。

【亜州IR】





《FA》