【今日の一冊】そろそろ左派は〈経済〉を語ろう

【今日の一冊】そろそろ左派は〈経済〉を語ろう


レビュー

欧州の左派の間では、「デモクラティック・エコノミー」というコンセプトがさかんに議論されている。デモクラティック・エコノミーと聞くと、「貧困対策の分配や、ブラック労働をなくそうという運動のことだろうか」と思う方もいるかもしれない。しかし実際には、きわめてマクロ的な視点から経済活動に関する決定権を社会で広く分散し、みんなが自分の人生に主導権を持って生きていける経済を実現しようとするものだ。
政治制度としての民主主義がある程度確立されていても、経済的不平等があれば民主主義は不完全である。経済的なデモクラシーの遅れが、いわゆるトランプ現象やブレグジット、欧州での極右勢力の台頭につながった。「いまの左派の最重要課題は経済というのが、欧州左派の共通認識である」――これが著者たちの見解だ。
本書はブレイディみかこ氏、松尾匡氏、北田暁大氏という有識者の鼎談(ていだん)からなる。2017年にグラスゴー大学教授アンドリュー・カンバースが発表した、デモクラティック・エコノミーの達成度合いの尺度ともいえる「経済民主主義指数」では、日本はOECD加盟国の中で下から4番目に位置する。つまり日本は世界的にみて、経済的にもっとも不平等な国のひとつなのだ。
こんな時代だからこそ、私たちは経済を語らなければいけないと著者たちは口をそろえる。普段私たちが何気なく感じている不平等感について、熟考するきっかけを与えてくれる一冊だ。


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