レビュー

大手有名企業から内定を得るためには、有名大学に在学していると有利である。しかし、有名大学に在学しているからといって、大手有名企業に入社できるとは限らない――これを実際に経験しているのが、著者の竹内健登氏だ。


著者は、東大生であったにもかかわらず、就活がうまくいかずに就職浪人を経験している。竹内氏の弟も同様に、東大薬学部でありながら、大手製薬会社からの内定は得られなかったのだという。
著者らの例からわかるように、売り手市場とはいえ、苦労している就活生は多い。しかし、親世代から見ると、なぜそんなに就活が大変なのかわからない。ついつい親自身の経験からアドバイスをしてしまうこともあるだろう。実は、この行動は大間違いだ。

著者によると、今の就活と親世代の就活では、根本的にシステムが異なっているという。それを理解せずに、親が自分の成功体験かアドバイスをすると、子どもを傷付けたり、子どもの足を引っ張ったりしてしまうことになりかねない。そこで本書は、親が子ども世代の就活の実情を知り、的確なサポートするためのノウハウを紹介している。
働き方改革が推進される一方で、確実にブラック企業は存在している。ブラック企業で働きたい子どもも、入社させたい親もいないはずだ。やはり、子どもが望む業種の一流ホワイト企業であってほしいというのが本音である。
よりよい形で社会に送り出すことができれば、親としても一安心だろう。そんな親御さんに、ぜひお読みいただきたい一冊だ。

本書の要点

・一流ホワイト企業から内定を得られる学生の条件は、「企業から何が評価されるのかを知っていること」と「企業から評価される力を得る機会が与えられていること」である。
・「今は売り手市場だから、就活はそこまで大変ではないはず」と考えている親御さんも多いだろうが、状況は厳しい。学生の7人に1人は就活うつになるという調査結果もあるほどだ。
・「一流ホワイト企業」に入るためには、IQとEQを高めるのが近道である。

加えて、就活力も必要だ。



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